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【勝手にFAQ】エアスペース

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減装弾+実包内のスペース

減装弾+エアースペース

ハンドロードで火薬の詰めすぎが危ないというのは素人でも分かりますが,物理的にそもそも入らなかったりしますね.逆に少なければ安心だというと,そうではなくて異常高圧が発生するという説を聞きます.

しかし,このメカニズムがはっきりしません.おまけに火薬メーカーが実験しても同じ現象は再現できていないそうです.ぱっと思いつく範囲では,このような異常の原因については三つのケースというか理由が考えられると思います.(ただし自分は火薬の専門家ではありません)

まず一点,非常に少ない薬量であったため,弾頭が銃身内で停弾してしまい,そのことに気づかず次弾を発射してしまったというケース.火薬メーカーが再現できていないということから,この可能性は排除できないと感じました.

あとはメーカーが再現できない理由が不明ですが,薬莢内の空間が大きいために着火する面積が大きくなり,一気に燃焼が始まって,圧力が急激に上昇してしまうというケースです.この場合は火薬の上にバッファを詰めておくことで防げそうですが,取り扱いには注意が必要かと思います.

後者に関しては,burn rate の速い火薬では起きにくいとされていて,実際に減装弾で使用される火薬はライフル用の中でも速いものが選ばれます.ただし速い火薬は最大腔圧が高くなるので,遅い火薬のような量を詰めてはいけません.

減装弾を大量に使うのであれば,Trail Boss やら SR4759(ディスコンですが)などを買ってもよいですが,お試し程度なら一瓶買ってしまうと一発あたりの消費量も少ないし,残ってもてあましそうです.この場合は Hodgdon の H4895 というのがおすすめです.(ただしお使いの口径のレシピにこのパウダーが掲載されていることが条件です.30-06 とかは使えます)これは Hodgdon が公式に減装してよいとアナウンスしているパウダーで,レシピの最大薬量の6割から使えるとされています.(個人的には半分から試しています)これなら,一つの火薬でフルロードから減装までいけますから,管理上も便利です.

ちなみにお箸の国の人だもの,やっぱりダイセルだよね.という方もおられるでしょう.去年 DC-300 で減装を試したときは 308Win で通常弾を 45gr@2900fps くらいに設定した環境で,薬量のみ 23-24gr 程度にしたら,タール状の残滓がかなりでました.このような残滓が銃身内部に残ると,弾頭の前進に大きな抗力となりますから,不完全燃焼による残留物も件の異常高圧の原因になりえると考えられますね.これが想像している三つ目の異常高圧の理由です.いずれにしても DC-300 での減装は注意が必要です.