週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

狩猟練習弾を組む(2)

前エントリで雷管装着まで終わったので,今回は火薬の装填からです.これもやりかたはいくつかありますが,今回はパウダーメジャーを使いましょう.

 

f:id:weekendhunter:20211016124429j:plain


まず火薬を上部のホッパーへ,どばっと入れます.もちろんこぼさないようにファンネルを使います.

 

f:id:weekendhunter:20211016124442j:plain


ホッパー8分目位いれておくと50発分くらいになります.薬量はダイヤルで調整します.

 

f:id:weekendhunter:20211016124453j:plain


ダイヤルを合わせてからハンドルを回し,試しに出したのを量って,火薬をホッパーに戻す,を繰り返し,44gr 前後に合わせ込んでいきます.

 

f:id:weekendhunter:20211016124505j:plain


といっても,パウダーメジャーはシリンダ容量で量りとる仕組みなので,粒の入り方が毎回ぴったり同じということにはならないために,重さに若干のバラツキは発生します.もし重さをピッタリあわせたければ,少なめにメジャーで入れておいてから,少しづつ手動で火薬を追加していって個別に合わせ込みますが,私はそこまで気にしないので,パウダーメジャーから出た量そのままでいきます.

ローディングブロックに載せたまま,パウダーメジャー下部のドロップチューブに薬莢の口を押し当てて,ハンドルを操作し装填します.かっちゃんこ,かっちゃんこ,とリズム良く.

 

f:id:weekendhunter:20211016124516j:plain


終わりました.

 

f:id:weekendhunter:20211016124526j:plain


上から火薬をのぞき込みます.

f:id:weekendhunter:20211016124554j:plain

 

ここで大事なのは,薬量がだいたい揃っていそうかというのもありますが,何より気をつけたいのは,火薬が入っていないものが決してないように確認することです.弾頭を付けてしまうと中身が見えなくなりますから,必ずこの段階で確認をしなければなりません.

火薬は多すぎるとアブナイのは誰でも分かりますよね.ところが多すぎることは普通はありません.何故かというと,適合したライフル用火薬を使う限りは,薬莢にいっぱいに入った状態でだいたい適量になるようになっているのです.逆に火薬がほとんどはいってないとか,全く入れない状態の実包を発砲してしまうと,雷管の爆発力だけで弾頭が銃身内に進行します.すると銃身内で弾が止まってしまう,停弾という状態になります.これに気付かず二発目を撃つと銃身が裂けて大事故になってしまいます.停弾しても次を撃たなければ事故にはならないですけど,銃身途中で停弾してしまうとその弾頭を取り出すことが相当困難になります.鉛弾なら銃を分解して加熱融解できるかもしれないけど,かなり大ごとになりますし,銅弾だったらそもそもその方法は無理.場合によると廃銃にせざるを得なくなることも.というわけで,この火薬の上からチェックはリロード時には一番気をつけないといけないことなのです.

さて火薬装填が修了したら,今度は弾頭の装着です.それにはシーティングダイという道具を使います.

 

f:id:weekendhunter:20211016124606j:plain


似たようなものが並んでいますが,左上がそうです.真ん中と右下はサイザーで,薬莢の大きさを縮小させるダイです.右上は弾頭を薬莢に固定するためのクリンピングダイで,狩猟用の弾を作るときには使います.が,今回は単なる練習用なので使いません.

シーティングダイをプレス上部にセットして,火薬を装填した薬莢をシェルホルダに載せてから,その上に弾頭を置きます.

 

f:id:weekendhunter:20211016124617j:plain


ハンドルを操作して,この弾を押上げ,シーティングダイに押し込みますと,設定した高さまで弾頭が薬莢に押し込まれます.

 

f:id:weekendhunter:20211016124626j:plain


そして弾の長さを測ります.今回のレシピでは 2.75" が適正なので,このくらいでいいかな.(あまり長いとマガジンに入らなくなる)

 

f:id:weekendhunter:20211016124635j:plain


最初にダイを合わせたら,それ以降作る弾はみんな同じ長さになります.50回シートすれば50発完成.

 

f:id:weekendhunter:20211016124643j:plain


ちなみに弾ってどのくらい重いのか興味があるかたもおられると思うので...

 

f:id:weekendhunter:20211016124704j:plain

 

5個で 121.5g だから,50発だと 1.2kg 以上になります.確かに結構ズッシリきます.

 

余談ですが,火薬類の管理は結構厳重で,ことあるごとに警察からは今どれだけ持っているかを聞かれます.もちろん記録簿を付けているので,それを見て答えます.私の場合は作業の前後に火薬を量って,その作業で何グラム使ったかを記録しています.例として今回は 143g 使いました.すると,1発あたり 2.86g,すなわち 44.1gr となるので,今回のレシピとあいます.このように使用量が想定と合っているかを確認することは,記録のためだけでなく,事故を防止するためにも大事なことです.ちなみに私は計算が苦手なので,こういう計算には電卓を使います.私は下の電卓( CASIO fx-260 SOLAR II )を使っています.

 

f:id:weekendhunter:20211016124714j:plain


時々関数も使いたいので,関数電卓なのですが,このモデルはなんと電池が要らない(最初からついてない)のです.実は関数電卓ってソーラーがついていても,ボタン電池と併用しているモデルがほとんどで,ソーラー単独の関数電卓ってほぼないのですよ.この電卓はそんな珍しいタイプで,個人的には名機だと思ってます.電池が入ってないと言うことは,液漏れでダメになるということもないわけですからね.余談中の余談でした.