週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

肉とすっぽん

図書館シリーズです.

 

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肉とすっぽん


書籍紹介にはこうあります.

牛、羊、鹿、鴨、ホルモン、鯨……
うまい肉が生まれる現場にはソウルがある!

・“害獣”を地域の恵みに変えた島根県美郷町モデル
・「肉にも旬がある」ジビエ料理のフロンティア
・常識の壁を乗り越え、馬肉文化を守り抜いた熊本の挑戦
・「捨てていたもの」から価値をつくり出す職人芸とは?
・「露地養殖」という“非効率”が異界の味わいを生む……etc.

それぞれの土地で培われた〈知恵と技〉が日本の食の未来を照らし出す

歩いて、食べて、考えた。
“食の未来図”をまるごと味わう傑作ノンフィクション!

 

ジビエ関連もあると思い読んでみました.ジビエに限らず,それぞれの話が面白かったですけども,特に良いと思ったのは,島根県美郷町での猪の活用で地域振興と農業被害低減を両立させた話です.その中でも井上雅央さんの言葉が光っておりまして(平松洋子著「肉とすっぽん」より引用)....

 

「獣害いうたら行政に任せようとする。ここが間違いなんです。そしたら勉強しない議員が出てきて、農家の味方のふりをして、議会で机叩いてカネ付けろという。で、1年経ったら市会議員から県会議員に変わっとる。県会議員から国会議員に変わると、とんちんかんなことをいっぱい言い始めます。大型捕獲檻とか、特定鳥獣の保護管理計画とか、ジビエとか.目先を変えるためのものにカネがつくからうまい汁吸う人たちが寄ってくるけど、農家の被害は何も止まらない。よーく考えてごらんなさい。農家の被害が止まらないほうが、儲かる人たちのとこへ全部カネが行く。」

 

拍手👏.有害駆除に関して,特に補助金関連には疑問があったけど,このように分かりやすく明文化されると気分が良いほどです.投票するときには立候補者の言い様を良く聞かなくちゃって思いますね.

 

他の猟では例えば,鴨の坂網猟は大聖寺のが紹介されていましたけども,御狩場での賓客接遇でも使われている叉手網のようなのを投げてとる古来の猟法で,かなり面白そうです.やったらはまりそう.

 

襟裳の短角牛の話では,「襟裳の春は何もない春です」が昔本当だったということが書いてありました.一時期は草木もない荒野になり,昆布も魚もとれず,極貧にあえいだ時代があったと.今は行ってみてもそんなことは想像できないので,なんで何もないなんて言うのだろうと思ったけども,そういう背景があったのですねぇ.