週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

サボる?サボらない!

今週のお題「サボりたいこと」ですね.サボるというのは辞書的には「仕事などのやるべきことを怠けること」ですけども,良い言い方をすればプーさんのいう「何もしないをする」につながりますよね."Doing nothing often leads to the very best of something." 「何もしないをすることは最高の何かにつながる」わけです.人間,良い output の為には,多くの input が必要だと言われます.実際はそれに加え,何もしないように見える,休んでいる時間も大事なはずで,本当に無意味になるようなサボり方ってのはなかなか難しいのだろうなぁと思います.

 

サボるは sabotage のことですけど,それはもともと sabot から来ています.これはフランス語で「木靴」の意味です.昔は革でできたような柔らかい靴は貴重であって,一般的な労働者階級の人々は硬い木靴を履いていました.この木靴を投げつけて自分が働いている工場の機械や製品を壊したりすることで,雇用主の経営を意図的に妨害したことから,sabotage と呼ぶようになったそうです.そして本題に入りますと sabot といえば,我々射撃愛好家からすればこれを最初に思い出すのです.

 

 

プラスチックでできた部品で,この中に金属製弾頭を収めて射出します.

 

 

散弾銃,特にハーフライフルという浅い溝のある散弾銃で使われます.本物のライフルでは金属弾頭そのものが銃腔に刻まれた螺旋に食い込んで回転しますが,散弾銃はそこまで腔圧が高くできませんから,銃腔内の浅い溝をプラスチックでできたこの sabot を発射時には滑るように回転させて,ライフルと似た効果を得ようとするのです.これを sabot 弾といいます.

 

そんな面倒なことをするくらいなら,素直にライフルを使えばいいじゃないかって思うかも知れませんが,日本の狩猟用ライフルは,散弾銃の所持許可を十年以上継続して受けていることが許可条件になっており,また海外でもライフルでは獲物が獲れすぎてしまうと考えられる地域や季節に,有利性の低い散弾銃しか使用できない規則になっている場合があり,そういうところではこのような sabot が使われたりするのでした.

 

狩猟にライフルが使えない地域(千葉県等)だったら欲しいかも知れないけど,出猟予定ないしな〜.というわけで「サボりたいか?」と問われれば,「サボらず,普通にライフル使うよ」というのが私の回答になります.笑

 


#蛇足#

ここでは sabot 弾を使うことを「サボる」と言っているわけです.が,価格的にも性能的にもより有利なライフルが使えるなら,わざわざ sabot 弾を使う必要はないので「サボりません」というわけですね.