週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

狩女のすすめ

今回の図書館シリーズはこちら.

 

狩女のすすめ

なんと先月出たばかりの本です.

 

書籍説明によると

ジビエで生きる、ジビエを活かす、ジビエで日本を元気にする! 
能登を拠点に、ジビエの伝道師として大活躍中の著者が、狩猟やジビエの魅力を軽やかに紹介。 

魚は捌けず、虫も苦手、運動音痴がいつの間にか、どっぷり猟師の世界に。 

40歳を超えてから狩猟やジビエと出会った波乱万丈のシングルマザーが、 

・なぜ狩猟やジビエに魅了されるのか、 
ジビエを広めるためにどのような活動を行っているのか 
ジビエを軸に自分の生活をどのように成り立たせているのか 
・それらの活動に日々邁進するなかでどのようなことを感じているのか 

といったことを、ときにシリアスに、ときにユーモラスに綴った一冊。 

 

ということです.数多い狩猟関係の本を見て思うのは,中には初めて数年という著者もいて,そういう人がよく本なんか出す気になるよなあということなんですね.

実際この筆者も狩猟を始めて長いわけではないので,それほど詳しくない様子.例えばイノシシなどは,ワナならすぐに獲れるけど,巻狩だったら撃つのは先輩射手だから初心者に撃つチャンスはない,みたいなことが書いてあります.まあワナも運が良ければ獲れるだろうし,巻狩にしても中にはそんな猟隊もあるかも知れませんが,私の知る範囲にはそういう隊はないです.特にうちの隊では初心者にこそいいタツで撃たせ,ベテランは縦横無尽に遊撃,他のメンバーが抜けられてしまった先に回って仕留める,みたいなやり方です.だから初参加で射獲できる人は毎年のようにでます.私も初参加のときは立ち位置が悪くて発砲できなかったけど,目の前を走り抜けたのを見てるし.

鴨撃ちの記述でも,空気銃は射程が 50m くらいが限界で,散弾銃で 100m,ライフルは 300m 程度と書いています.これは間違い.散弾銃でカモを落としたければ,散弾粒の大きさによっても多少異なりますが,普通は 40m くらいがいいところじゃないでしょうか.だから水面にいる鴨を狙うなら,かえってプレチャージ式空気銃の方が遠くても撃てますよ.ただ飛んでしまうと空気銃では手も足もでず,散弾銃の独壇場です.だから空気銃で獲れるのはふつう一度に1羽(撃ったら近くのカモは飛んじゃうから).あとライフルはそもそも使用がシカやイノシシなどの大型獣相手に限られ,カモ撃ちに使うことは出来ません.まあ仮に撃ったとしてもズダボロになって食べるところがなくなるカモ?と思うけど.苦笑

まあそんなこんなで,狩猟について知りたいという目的だと期待外れになります.

一方,肉は美味しいし,革もハンドメイドに使えるし,狩猟を始めると生活に多少プラスになるようだからやってみたい,そんな実例を見たいという人にはいいと思います.マイナス面もちゃんと書いてますしね.これは大事なことです.ただこの著者が強者だからで,誰にでも出来るとは思えない面はあります.本人曰くモテるそうだけど,4連ガチャ全てハズレを引きバツ4でも(苦笑),めげないパワーのある人ですから.ちなみに狩猟生活に入ったのは4番目の旦那さんの影響らしいけど,その彼は奥さんの名前で借金してたらしい.それって立派な有印私文書偽造でしょ.さすがに離婚に至ったってことだけど,すぱっと切れるのは立派.彼女もいろんな修羅場をくぐってきてる感じは受けますね.

ちなみに一般的には,離婚すると銃砲所持許可を受けるときの審査が厳しくなるので,なるべく波風立てない方がいいです.そりゃ,許可下ろすほうだって安心できない人にはおろしたくないでしょう.とはいえ,何事にもほとぼりというのはあります.利口に立ち回ることが人生,とは言わないけれども,そこまで長いわけじゃないですからね.

 


今回採り上げた書籍