週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

赤い彗星は三日坊主

先週アクセス数が普段の三倍になりました.

 


以前急に増えたときには,流入元として t.co (twitter) がリストされてたので,誰かがブログ記事についてツイートしたんだろうなぁと思ったのですけど,今回の急増は特定のアクセス元からの流入が増えていたわけでもないので,理由が分かりません.特定のページへのアクセスが増えたわけでもなさそうだったし.(ただし,はてなの集計は不明瞭で分析が難しく,あくまでも推測で言ってます.)

 

そして従来比三倍のアクセスも三日でピタリと収まり,あっけなく元に戻りました.シャアは去って行ったようです.一体何だったのだろうなぁ.昔のブログだと検索エンジンのクロールが入ったときにアクセス数が増えたように見えたりしたけど,ここはそういうのはカウントされてないみたいだから,普通に誰かが見に来たんじゃないか?とは思ってるのですけど....

 

特に関連するような事件があったわけでもないと思うし,ほんと一体アレは何だったのでしょうか.謎だけが残ったのでした.

 

弾頭鋳造

今週のお題「外でしたいこと」ということで,当ブログのメインテーマであるリローディング関連で「外でしたいこと」を考えるとズバリこれですかねぇ.

 


何コレ?ってなる方がほとんどだとは思いますが,弾頭の鋳造です.下のような溶解ポットを使って鉛を溶かして,上の鋳型に流し込んで弾頭を作成するのです.

 


弾頭は,まず重く,脆くなく,それほど高価でない金属が求められ,その結果,鉛が最適とされてきました.ただし現在のライフル弾頭は一般に鉛のコアに銅のジャケットをかぶせたものが多数派です.

 

 

普通のライフル弾は散弾銃などと比べて数倍高速で撃ち出すため,火薬燃焼で推進させるときに何倍もの高圧をかけています.このときもし弾頭が無垢の鉛だと変形してしまいます.変形した弾頭は正常な弾道を描きません.また銃身内のライフル溝に鉛がべっとりと張り付いてしまいます.次弾の射出にも影響があるでしょう.これがジャケットの理由です.

 

なお鉛弾の使用が制限されている場所では,無垢の銅などといった非鉛弾頭を使用します.しかし高価ですし,なにより弾頭が軽くなってしまいますので,特に非鉛の必要がない限りはほぼ使われません.

 

さて話は弾頭鋳造に戻ります.ここ何年かこんな世界情勢のため,リローディングに使う火薬やら弾頭が入手しにくくなっています.今はストックが多少ありますけど,これがなくなったらどうしましょう.射撃にしろ狩猟にしろ,銃の使用実績は更新条件になっていますから,弾がないから撃ちに行かないというわけにもいかないんですよね.火薬使用量を低減した減装弾を使うことで火薬はケチれるとしても,弾頭は一発撃てば必ず一つ消費します.なので,ジャケット弾が必要ないくらいに減装して,弾頭は自家鋳造を使うというのが,個人的な防衛策となるでしょう.銅弾を個人で作るのは一つづつ旋盤で作るくらいしかできず,事実上無理だからです.

 

鉛を溶かす限りは,溶解ポットからのヒュームが健康上の懸念になります.室内でガソリンエンジンを回すわけにはいかないのと同様,鋳造は排気設備を持った室内で行うか,外でやるしかないわけです.まあ事実上外でやるしかないですね.というわけで,今回のお題につながったのでした.

 

ただ人目に触れるところで作業すると,ご近所さんが何ソレ?って寄ってきてしまうのが難点です.射撃をやってることは知らない人には知られたくないですからねぇ.世の中には悪いことを考える人もいますから.

射撃シーズン

猟期が終わったら射撃シーズンです.今回はこんなところへ....

 

 

これだけでどこだか分かる人は結構多いんじゃないかな.笑 そもそも意味不明だという方に追記しますと,射撃場ってちょっと辺鄙なところにあったりするんですね.すると,食事に困るので,食堂が併設されているところが多いのです.まあ味のレベルは大したことがなかったりするのですけど,今回行ったところはタンメンが美味しいと言われていて,実際私も大体コレを頼むのでありました.

 

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リローディングベンチはなぜ汚れるか

今週のお題「きれいにしたい場所」ということで,このブログのテーマから選べばもちろんリローディングベンチ周りと言うことになるでしょう.

 


リローディングとは使用済みの薬莢を成型し,新しい雷管や火薬を装填,弾頭を装着して,また実包として使えるようにする作業です.ベンチ周りが汚れる主な要因は,使用済み薬莢に残った火薬の燃えかすが散逸することですね.あるいはもともと付着していた汚れがあればそれも燃焼し黒い残滓になって散らばります.雷管も小さい割には残滓の量が多いです.

 

火薬の燃焼温度は 2000 ℃ 程度以上になると考えられるので*1,これらの残滓にはガラス化したものも含まれます.このような燃えカスを雑巾などで拭き取っていると,机面塗装が傷だらけになっていきます.うちではプラスチックのマットを敷いていますけど,しばらく使うとつや消しになります.苦笑

 

他にはうちでは散弾のリローディングもしているので,うっかりこぼした散弾粒とかも厄介ですね.ツルツルした床面だとコロコロと転がっていきます,粒が重く掃除機に吸い込まれていかないので,掃除機は使えません.古式ゆかしく箒とちりとりを使うのがベストながら,すぐに転がっていくのとそうでもないのが混ざっているので,一カ所にまとめるのが難しいです.ちりとりに乗せても,その傾斜ですぐに反対に転がっていったりと従順さがありません.

 

というわけで,リローディングベンチ周りって割と掃除が面倒くさいというお話でした.

*1:水島容二郎,”爆薬の燃焼温度測定.”工業火薬協会誌,第20巻,第4冊,pp.265-275,S24.

ブルジョWAA

トラップ用散弾は Winchester AA を愛用していました.薬莢が黒い Compression Formed のときはもちろん,それがなくなって現在の赤い WAA/HS になってもです.他の製品を使ってないとはいいませんが,あくまでも軸足は WAA にあったのです.

 

 

ところが久々に弾を買いに行ったら,なんと 22,000 円だと言うではありませんか.一発 88 円ですよ.ビックリ.メリ黒ですら 16,000 円とのこと.以前の倍といったところでしょうかね.仕方なく別のを買いましたけど,それだって特に安いわけではありません.WAA なんかはすっかりブルジョワ御用達になってしまったようです.というか,大昔は一発でラーメン一杯と言っていたらしいので,次第に昔に戻ってきてるってことだったりして?

 

ちなみにクレー代も結構上がっているようですね.従来は 4R して帰るという人が多かったと思いますけど,これからは 3R くらいが標準になったりして!?

ともぐい

図書館シリーズです.

 

ともぐい 河﨑秋子著


内容紹介は

死に損ねて、かといって生き損ねて、ならば己は人間ではない。人間のなりをしながら、最早違う生き物だ。明治後期、人里離れた山中で犬を相棒にひとり狩猟をして生きていた熊爪は、ある日、血痕を辿った先で負傷した男を見つける。男は、冬眠していない熊「穴持たず」を追っていたと言うが…。人と獣の業と悲哀を織り交ぜた、理屈なき命の応酬の果ては―令和の熊文学の最高到達点!!


だそうです.熊文学っていうんですねぇ.まあ命のやりとりのバランスを考えれば,熊猟は一つの分野として独立するイメージはあります.ちなみに鴨文学の代表例としては,私がモデルになっている「友造じいさんと GUN」があります(ウソです).

 

本題に戻りまして,読み終わってみると中には少々不穏な表現もありますが,全体としてはかなり面白い話でした.さすが直木賞を受賞しただけあります.

 

ただ銃所持者として気になったのは,主人公は村田銃を使っているのですけど,街に降りてきて銃弾を買うという表現になっていることです.この時代の猟師って手詰めをしてたと思うので,その辺をストーリーに上手く埋め込むと,主人公の猟に対する描写も広がって面白かったんじゃないかなと思いました.あとは鹿を撃ったとき,死にゆく鹿の瞳は黒くなると言う表現があります.光を失うという意味だと思うのですけど,実際に猟をしていると緑色に変わってゆくイメージがあるのですが,どうなんでしょう.私だけですかね?まあ一般人にも分かりやすい表現にしたってことかな.

 

著者は別海出身らしいので,それなりに狩猟についての取材はしていると思うのですけども,もう少しそのあたりを突き詰めてくれたら,より厚みが出て,狩猟者にもリアルに楽しめる話が盛り込めたかと思います.