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【勝手にFAQ】天秤の使い方

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RCBS 火薬天秤の使い方
powder 用の Mechanical Scale の使い方を知りたいということですよね.まあ普通の天秤と同じですが,普通の人は天秤自体使わない生活してますし,家に天秤はない,という人の方が多いと思いますからね.笑 では RCBS Model 5-0-5 を例にとって説明してみましょう.
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まず説明の前に各部の名称です.
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poise という釣り合い錘が3つあります.左にある大(large poise)は10gr 以上の単位を示す錘,真ん中の中(middle poise)は 1gr 単位,右の小(small poise)は 0.1gr 単位です.これらを全てそれぞれの0の位置にセットします. 10以上の位の0は...
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1gr 単位(真ん中辺りのコの字型の錘)の0は...
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0.1gr 単位(左側の錘)の0は...
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です.そして,空のお皿を載せた状態で釣り合いが取れているか, すなわち beam pointer が dial plate の0を指しているか確認します. 0を指していない場合は天秤本体の水平が取れていませんから,ベース下の足の長さを調節して水平をだします.水平のはずなのにお皿側が軽いという場合は scoop に小さな錘(散弾の粒など)を入れて調節できます.ただ出荷時にある程度の確認はされているはずなので,そこまでしなくても大丈夫だとは思いますが. さて天秤を使うには大きく分けて二つの方法があります.まず第一に(1)秤とりたいものの量を,ある決められた重さに合わせたいとき,すなわち火薬を○○gr 秤とりたい,というような場合です.もう一つは(2)未知の重さのものの重さを量るとき,すなわちこの弾頭は何grか?を測るような場合です. それぞれに分けて説明しましょう.まず(1)のパターン.これは簡単ですね.設定したい重さに三つの poise を合わせます.例えば 43.7gr にしたい場合は左側の10の位の錘を40のノッチに合わせます.写真はマニュアルからなので 40gr ってのがなくて,160gr にしたときですが.
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そして真ん中の錘(1の位)を3にします.
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右の 0.1gr の小さな錘は 7 に合わせます.
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上の写真は取説の切り抜きなので,指定している桁以外の錘の位置が0に戻されているのがおかしな点ですが,そこは無視してください. 三つの錘を設定したら,左の指針は思いっきり下に行ってるはずです.そこでお皿に火薬を入れていって,針が0に釣り合うまで火薬を載せていくわけです.針が上に行き過ぎたら火薬を減らします.最後の微妙な調整でトリックラーを使う人もいますが,どうせ粒単位でしか前後できないのですから,耳かきみたいなスプーンがあればそれでも十分です. さて(2)のあるものの重さを量る,というときはどうするでしょうか.これは上皿天秤と同じで,大きな位から合わせていきます.例えば弾頭をお皿に載せて,10の位を動かしていきます.その結果 160 では針が上になってる(弾頭の方が思い)けど,170 だと 0 より下がる(弾頭はそれよりは軽い)とすれば,10の位は 160 にします.
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次に1の位をずらしていきます.3までは針は上だったけど,4にしたら0より下がったなら,1の位は3です.
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最後に 0.1 のくらいをずらしていって針が最も0に近くなるところを探します.その結果三つの poise の位置が以下のようになったとします.
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左が 160gr,真ん中が3gr,右が0.7gr を指していますので,合わせて 163.7gr となります. (1)の使い方なら天秤でも電子秤でも大した差はありませんが(といっても電子秤の方が楽だけど),(2)の用途では圧倒的に天秤は手間が掛かります.確かに機械式天秤の方が電池も要らない,丁寧に扱えば壊れにくい,また故障してもすぐ気づく,という長点はあります.でも測るまでの調整は必要ですし,機構的に値段が下げられないため,相対的に考えれば今のご時世電子ばかり一択だと思うのです.壊れるのが心配なら二個買ってもいいでしょう.それでも機械式天秤より安いはずです. じゃあなんで未だに機械式天秤を売ってるのかって?それは趣味の世界だからです.例えばオーディオ趣味の人の中には未だに真空管アンプを使ったりしてる人がいますよね.それと同じです.なので,天秤で量るのが楽しいんだという需要がある限りは,機械式もなくならないでしょう.私は電子式一択だと思っていますが,それでも小さくて格好良い機械式天秤があったら欲しくなっちゃうかも.笑