週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

【勝手にFAQ】 Load Data とは?

今回の検索ワードはこちら.
LOAD DATAとは? 火薬
Load data というのは,どのカートリッジで,どんな弾頭を使って,どんな火薬をどれだけ入れたときに弾速や腔圧がどうなるかが,その条件と共に表になっているものです.個人が使う場合はレシピ(recipe)とも呼ばれます.以前は書籍になっていましたが,現在ではそれに加えてオンラインで検索できるようになっています.(Hodgdonの) 例えばHodgdon のページで,
Cartridge: 30-06(カートリッジ 30-06) Bullet Weight: 150gr(弾頭重量 150gr) Manufacturer: 選択しない(メーカーはパウダーを選ぶと自動的に選択される) Powder: IMR 3031(火薬は IMR の 3031.日本でも手に入りやすい一つ) を選んだとしますと,二種類の弾頭に対するデータが出てきます.
Case: Winchester Twist: 1:10" Primer: Winchester LR Barrel Length: 24" Trim Length: 2.484" (1)150gr. NOS E-TIP COL 3.300" Starting Load 43.0gr 2644fps 47600PSI Maximum Load 46.0gr 2811fps 56600PSI (2)150gr. NOS BT COL 3.250" Starting Load 43.0gr 2697fps 47600PSI Maximum Load 46.7gr 2887fps 59300PSI
最初の条件は(1),(2)共に共通ですが,薬莢は Winchester のもの,検圧銃のライフリングツイストは 10" で一周するもの,プライマー(雷管)は Winchester の Large Rifle 用,検圧銃の銃身長は 24",薬莢の長さは標準的な 2.484" に調整してある,ということです. そして二種類の load data はそれぞれ (1) Nosler 製の E-TIP の 150gr 弾頭,薬莢に装着した時の全長は 3.300" 最小薬量 43.0gr で,このときの弾速が 2644fps, 最大腔圧が 47600PSI 最大薬量は 46.0gr で,このときの弾速が 2811fps, 最大腔圧は 56600PSI という意味です.(2)は同じく Nosler 製の弾頭ですが,通常のジャケット弾で Boat Tail (尻すぼみになってる)を使う場合のレシピです. 全長は弾頭形状で妥当な値がありますので,弾頭の種類によって決まっています.ベンチレストのような精密射撃をする人たちはこの値よりも,銃の薬室の形状から最適値を出しているそうです(個々の銃によって違う).まあそれはミリ単位を追い求める人の話ですから,私は標準でやってます.笑 腔圧は検圧銃という圧力が測れる特殊な測定器を使って測りますが,日本では普通の所持者がこのような銃を所持することは出来ない(目的が狩猟か標的に限られていて,学術研究用はないから)ので個人では無理だと思います.規格として許容されている最大腔圧は 30-06 の場合は 60000PSI となっていますが,メーカーのだす load data ではこれを当然下回るようになっています.火薬はロットによっても成分に微妙なムラが出来て燃焼特性が変わりますし,気温による変化もあります.そのようなわずかな差であっても腔圧に差が出るため,マージンを見込んで最大値を決めているわけです. 最小値は何で決まっているかというと,薬量があまり少ないと薬莢内に空間が増えます.すると火薬の燃焼特性にムラが出てきて,安定した射撃が出来なくなるのです.また異常高圧が発生することがあると聞いたことがありますが,これについてはよく分かりません.私が試した範囲では,完全な燃焼ができずに大量のタール状のものが銃に残ったという経験はあります.なので,これが銃身内に付着して,次の弾頭の進行を阻害し,高圧が発生したというメカニズムではないかと考えています.まあいずれにしてもあまり薬量が少ないと安定燃焼できないので,最小薬量よりも多く入れるようにするというのが基本です.