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【勝手にFAQ】国産実包はどうなっているのか?

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国内のライフル実包製造会社

前エントリで散弾実包製造の日本最大手である旭エスケービーが装弾事業より撤退するというショッキングな話を書いたわけですが,ライフルのほうの検索ですね.

私も詳しいわけではないので,事情をご存じの方がいらっしゃれば,是非教えて戴きたいところですが,一応はいろいろ調べてみました.

まず我々狩猟者或いは射撃を趣味とする人が手にできるライフル実包については,現行での国産は見当たりません.実包でなくても,非鉛弾頭と火薬については国産がありますが,薬莢,雷管については見たことがありません.しかし,こんなものを輸入だけに頼っているなんてことは,国防的観点からは考えられません.そこで防衛省の資料を見てみました.

すると,実包の種類は分かりませんが,多分小銃用と思われるものでもいくつもの会社が納入しているようです.例えば,

豊和工業(株)

中国化薬(株)

旭化成ケミカルズ(株)

日油(株)

ダイセル化学工業(株)

等が挙げられていました.防衛省でも競技用装弾も購入しているようで,日邦工業から30万円,銀座銃砲から2200万円買っています.何人くらい競技に出ているか見れば,大体どのくらい消費すればそのくらいのレベルになるか分かってしまいそうですね.笑

ところで同じ資料に弾薬の処分に600万円支出しているとの記載がありました.弾薬関係の全体では740億円も使っているので(もちろんロケット弾やら,ミサイルやらいろんな種類をひっくるめてです),ほとんどは訓練で使っていると考えてよいのかも知れませんが,民間で使用しているような装弾なら,払い下げてもらった方が無駄がなくていいのではないでしょうか?

さて本題に戻りますと,このように防衛省へ納入しているメーカーは多いので,国産のライフル実包も相当数製造されていると考えられますが,民間に販売されるライフル実包はほとんど見たことがありません.それだけ射撃や狩猟に消費される実包の市場規模は小さく無視できる程度,ということなのではないでしょうか.

では続いて市場規模について想像(笑)してみます.正確な数字は日本猟用資材工業会が知っていると思いますが,ぱっと見ただけだと分からなかったので,あくまでも勝手な推測です.よって桁違いな見当違いをしている可能性も十分あり得るのでご了承下さい.

国内のライフルの許可数はざっと四万挺くらいだと思います.ライフルを持っている人は長年継続して所持している可能性が高いので,そういう人は所持している丁数が多い傾向にあります.よって,ライフルを持っている人も一挺ってことはなくて,平均で二挺持っているとすれば,ざっとライフル所持者は2万人と考えられます.ライフルを狩猟に使う場合,無許可譲り受けで買える実包は50発までですね.この枠を全部使いきらない人がほとんどではないかと思いますが,射撃に熱心な人(ライフル射撃協会に入っているような人)も 1/3 くらいいるでしょう.あ,でもそういう人は自分でリロードしますよね.結局市販装弾を買う層って狩猟だけの人が多いと想定されます.なので,所持者半分の1万人が市販装弾を50発買う(あとはリロード)と考えますと,年間50万発になります.仮に一発400円とすると2億円ですね.それも末端価格(笑)です.輸入品を仮に排除して全部国産でまかなうと考えても,町工場レベルにしかなりません.

前エントリの旭エスケービーですが,年間約960万発製造しているそうです.一発40円として3億8千万です.この規模で撤退と言っているのに,仮に輸入禁止で1社独占でも半分の市場規模しかない領域にはなかなかでは手は出せないでしょうね.可能性があるとすれば,既に防衛省に納入しているメーカーが気まぐれをおこして民間にも出してみようなんて思ってくれるかどうかでしょう.笑 まずは国にも考え方を変えてもらって,サープラスから始めませんか?