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【勝手にFAQ】ライフル用火薬で散弾?

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ライフル用火薬を使ってリローディング
ライフル用火薬でライフル実包をハンドロードするという話ではないですよね?それは普通なので.笑 多分,ライフル用火薬で散弾実包をハンドロードできるか?ということだと思うので,そういう想定でエントリします.

ハンドロードに使用される推進用無煙火薬は,特にライフル用とか散弾用とかあまり明示されていないことが多いです.しかし,burn rate といって燃焼速度に関しては数値ではないものの順番がつけられていて,それによってだいたい散弾に使うかライフルに使うかが決まっています.

散弾のように発射後すぐに平滑銃身内部を進行するものは燃焼速度の速い火薬,逆にライフルのように進行するときにライフル溝に弾頭が咬み込んで,進行するときの抗力が大きいものは燃焼速度の遅い(緩燃)火薬が選ばれます.無煙火薬は常圧では爆発的に燃焼せず,よく燃える紙くらいにしか燃焼が進みません.しかし高圧下では燃焼が急激に進む性質があります.従って平滑銃身を滑らかに進行するような散弾においてライフル用の緩燃性火薬を使用すると,雷管の爆発力だけで弾が進行して燃焼域が拡大,圧力が低下してしまうので,火薬本体には着火しない,もしくは燃え残りが出るということが起きます.

逆にライフルに散弾用の火薬を使用すると,銃身内部と弾頭の間の抗力が大きいため,なかなか銃身内部を進行しないので,腔圧が上がりすぎて銃身が破裂するという事故が起きます.

ライフル用でも速いほうの火薬は,散弾用としては遅い方が望ましいスラグのようなものに使用できると考えられますし,逆に散弾用でも遅い方の火薬は,特に鉛合金の鋳造弾のような柔らかい弾頭を少量の火薬でゆっくり飛ばす,減装弾に使用できると考えられますが,一般的には「ライフル用」としてカテゴライズされるような火薬を,散弾実包に使用することはお勧めできないことだと考えられます.