週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

【勝手にFAQ】散弾量と薬量は比例するか

今回の検索ワードはこちら

散弾 薬量 重量 比例

黒色火薬の時代はまあ大体そんな考えだったようですが,無煙火薬になって燃焼速度(burn rate)を制御できるようになった現代ではそれとは逆の考え方をします.今回はこのお話です.

まずある散弾量を最適条件(ある薬量でもって許容される最高弾速)で撃ち出しているとしましょう.散弾量をあげると,銃腔内を進行する弾の動きが慣性により遅くなります.そうすると,腔圧(銃身内部の薬室から弾頭の間の空間における圧力)が高くなるため,火薬の燃速がより上がるという正のフィードバックが働きます.もちろんその腔圧が規定内に収まっていればそれでもよいのですが,最適条件というのは普通許容される腔圧を使い切るようなレシピですから,薬量をおとさなければならないわけです.

よって散弾量を増やすなら,薬量は減らす,という逆の対応になるわけです.

ところがそうすると当然弾速は下がりますね.そこで弾速を上げるにはどうするかというと,より遅い火薬に種類を変えるわけです.無煙火薬は高圧下では高速に燃焼し,低圧では逆になります.火薬が燃焼しきれないうちに弾が進行し腔圧が下がってしまうと,燃え残りが生じます.そこで腔圧を維持するためにも,燃速の速い火薬に比べると量を多く入れなければなりません.

したがって一般論としては,散弾量を増やした場合は,火薬が同じなら薬量は減らす.もしくは燃速の遅い火薬を多く使う,ということになります.この考え方はライフルでも同じです.