週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

Sizemaster と Steelmaster の机上比較 (1)

将来的に狩猟での鉛散弾の使用ができなくなった時に,どのように対応していくことになるかには不透明なところがあります.例えば銃身もスチール装弾に対応したものにする必要が出てくるでしょう.装弾側もエネルギー低下を補うために現在主流の 2-3/4" 装弾から,3" や 3-1/2" などが普通になっていくかも知れません. 一方,散弾用のリローディングプレスの多くは鉛散弾用に作られており,鉄散弾にはそのままでは使えない場合もあります.例えば私が現在主に使用している MEC Sizemaster は鉛散弾用で,スチール散弾用には姉妹品の Steelmaster があります.見た目はこんな感じです.まずは Sizemaster.
0003614_sizemaster-parts_415.jpeg
次いでスチール用の Steelmaster です.
Mec Steelmaster Single Stage Press.jpg
遠くから見るとボトルの大きさとベースの色くらいしか差が無いように見えますね.実際に異なる部品は以下の通りです. (1)散弾ボトル  Sizemaster の取説を見ると鉛散弾用は大きいボトルが散弾用で,小さいのが火薬用のはずですが,写真では配置が逆になっていて,Steelmaster は配置は正しく,黄色い方に散弾が入るようになっています.なので,実際は目盛りと印字色が違うだけかも知れない. (2)チャージバー  これは同じ重さでもスチール散弾の方が容積があるので,当然鉛散弾用とは異なるでしょう.ただ実際は制限はあるにしても読み替えれば良いだけだと思うんですけどね. (3)ドロップチューブ  散弾がバーから落ちていくチューブです.スチール用の方が太くなっているはずです. (4)ランマーチューブ  ドロップチューブの外側にあるチューブで,ワッズを押し込む働きがあります.ドロップチューブにあわせて多少太くなっているかも知れません. 実際に Sizemaster をスチール装弾に対応させるためのキットがありまして,その内容は上の(1),(3),(4)となっています.
Mec 10-12 ga Steel Shot Conversion Kit.jpg
チャージバーはケースによって違うので,それはそれで買って下さいってことですね. というわけで,主立った違いはドロップチューブ周りということになります.なぜここが違うかというと,スチール装弾はこのチューブ内でブリッジしやすいようなのです(銃身内でのブリッジも起きやすいが,ここでは触れない).実は鉛散弾でも粒が大きめになるとブリッジしてしまい,チューブ内で詰まってしまうという現象が起きます.これは粒の大きさだけでなく,表面の状態によっても起きやすさが異なるようです. というのも,うちでは鴨用に #4 鉛散弾を使用していますが,何年か前に数十 kg 単位で買って前シーズンまでは何の問題もなく使えていました.ところが表面が酸化するのか,今期になって,百発作るうちで2回ブリッジしました.こうなると,作業を中断しボトルをチルトさせ,ドロップチューブに棒を差し込んでグリグリしないといけません.ブリッジが散弾の一部で起きても,正常にクリンプ出来るくらいは落ちると気づかずに次の散弾を作り始めてしまい,チューブ内が散弾と火薬が混ざった状態になってしまいます.棒でツンツンするのも面倒ですが,この混ざった状態のものを分離してボトルに戻すのも面倒だったりするわけです.ドロップチューブから落ちた散弾が散乱しやすいというのもありますしね.苦笑 なので,もしかしたら Sizemaster はあくまでもクレー用で,#4 とかの散弾を作るのには最適とは言えないのかも知れないと思うに至りました.その点,Steelmaster はスチール装弾専用的なイメージがありますが,実際には部品構成は上のような差しかないので,鉛散弾でも使えるし,特に大粒には適していると考えられます. 私の場合は既に Sizemaster を持っていますから,スチール対応コンバージョンキットを買うのがベストかもしれないと思いました.もちろん Steelmaster はバーさえ鉛散弾用のを使えば,なんの問題もなく鉛散弾のリロードが出来ますので(逆は非推奨),今から MEC を買う人は Steelmaster の方が良いかもしれませんね.