週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

ジビエの放射能推定

件の事故ではその地方に住んでいる人たちに甚大な迷惑を掛けていて,それが何も解決していないにも関わらず,再稼働なんて狂気の沙汰にしか思えませんが,当然狩猟者たる我々も迷惑を被っているわけです.ただ我々が出来るのは精々食べて良いのか気休め程度に考えることくらいです.遠隔地に住んでいたとしても鴨などは渡ってきますから,当然その地方も通る可能性はありまして,採餌によって放射性物質の吸収が考えられます.ある程度の検査はした方がよいと考えられる地域はかなり広いと思います. 本来はちゃんとした機械を使うべきなのでしょうが,一個人かつ一素人にすぎない自分には対応しきれません.そこで自分はどうやって調べるかと言いますと,ガイガー管による自作測定器を使った簡易推定を行っています.簡単に原理を説明します. うちで使用しているガイガー管は長さが 75mm,直径 10mm の円筒形です.これをある点からみた立体角を概算します.
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肉塊はガイガー管の近傍に置きます.形状にもよりますが,その質点は 50mm 離れたところにあるとします.すると上の図で言うαとβはそれぞれ 0.6435, 0.09967 rad となります.これらより質点から見た管の立体角は上の式より 0.24 sr ですから,全球に対する面積比は 2% となります. 本当は肉塊の体積で体積分を行う必要があるのですが,ここでは簡単のため全質量が上の質点に存在すると仮定します.現在食品の基準では 100 Bq/kg となっていますので,管そばにおく肉塊が 200g であれば 20 Bq です.5分の測定で管を通る放射線は 120 カウント(=24CPM)となりますので,これより相当低ければ問題にしなくて良い可能性があるということになると考えました.(以下の推定はガイガー管の検出確率は100%と仮定した場合.ただしある文献によるとγ線に対しては数%,β線に対しては数十~100%の効率らしい) 実際に測ってみたところでは5分間のカウントは
バックグラウンド(1)75
イノシシ肉ブロック69
鴨肉丸1羽分72
バックグラウンド(2)75
小麦粉100g袋74
となりました. バックグラウンドは2回測っていますが,いずれも5分で75カウント(15CPM)です.20 Bq の放射性物質を観測点に置いた場合は120カウント足されて,200カウント近くになると推測できますが,実際はほとんどバックグラウンドと変わらないので,そこまでたくさんの放射性物質は含まれていない可能性が高いという推定となりました. 私は全くの素人ですから原理的な間違いを含んでいる可能性は十分ありますし,ここで行った推定はあくまでも個人的な推定であります.自分自身が少しは安心して食べたい(もしくは危ないと確実に言えるものは食べないようにすることができる)ということのため,一種気休め的な測定です.