検索ワードでもよく出ているので,今回はリローディングキットについて考えたいと思います.
ライフル実包に使えるリローディングキットは各社から出ています.基本的にはこれにカートリッジに合わせたダイとシェルホルダを足せば,一通りの作業は出来るようになっています.また価格もバラで買うよりはお得になっているでしょう.しかし,各種カートリッジに使えるようにするということは,半端なものを付けざるを得なくなるわけで,個人的には少し値が張っても自分のカートリッジに合わせて,自分のやり方に合わせて,一つ一つを吟味しながら用意する方が良いと思うのです.でもまあ最初はよく分からないから,これをベースにして,不満が出たら買い換えるから,これでいいのだ,という人も居ると思うので,各社から出ているキットを三つほど見てみたいと思います.
Sinclair で人気のある順でいきます.まずは Hornady の Lock-N-Load Classic Reloading Kit($240).
中身は以下の通り.
- Lock-N-Load Classic single-stage press
- Lock-N-Load Powder Measure
- Electronic Scale
- The 8th Edition Hornady Handbook of Cartridge Reloading
- Three Lock-N-Load Die Bushings
- Primer Catcher
- Positive Priming System
- Hand-Held Priming Tool
- Chamfering and Deburring Tool
- Primer Turning Plate
- One Shot Case Lube
このキットの問題は最後の One Shot Case Lube ですね.スプレー式のルーブですが,これは日本に送れません.しかしキットからこれだけ抜いて送ることは出来るようです.値段は変わらないと思いますが.
このキットの進んでいるところは,秤が電子式なところです.トリマーは入っていないですが,デバリングツールはついています.使うのかな?このキットを買った場合は,ダイとシェルホルダ以外にルーブを忘れないようにしましょう.ワックス式が良いと思います.
次は RCBS の ROCK CHUCKER SUPREME MASTER RELOADING KIT($300).
中身はプレスはもちろんですが
- hand-held priming tool
- Uniflow powder measure with bench-mount bracket
- 5-0-5 powder/bullet beam scale
- powder funnel
- case lube kit
- case mouth deburring tool
- universal loading block
- accessory handle
- the latest-edition of the Speer Reloading Manual
です.前からあるキットなので秤がビーム式(天秤)です.まあ天秤もあってもいいかも知れないですが,私はいらないな~.買い換えても捨てるには惜しいですからねぇ.苦笑
余談ですが,こんなのを使う方法もあります.
LYMAN の GEN6 COMPACT TOUCH SCREEN POWDER SYSTEM ($200) です.秤とメジャーが一緒になっていると考えれば,悪くないかも.メジャーってスタンドが別売りなので買うと結構するんですよね.あとはマイクロメータインサートとかも買ったりしちゃうと,こっちのほうが安上がりになったりするのです.まあメジャーは作業が早く出来ますけどね.
さて話をキットに戻しましょう.次は期待(笑)のLeeからBREECH LOCK CHALLENGER KIT($130)です.
中身は
- Breech Lock Challenger Press
- one Breech Lock quick-change bushing
- Perfect Powder Measure
- Lee Safety Scale
- Powder Funnel
- cutter and lock stud
- chamfer tool
- sizing lube
- primer pocket-cleaning tool
- Auto-Prime XR and a set of Auto-Prime Shell Holders
ちょっとどうかと思うのは,ブリーチロックのブッシュが一つしかついてないことですね.ダイの数だけ必要ですから買い足さないといけません.もちろんブッシュを本体に付けて外さないというのであれば一個で良いですが,それなら普通のプレスと同じになります.他のキットにない特徴としては,cutter & lock stud がついていることですね.これはカートリッジに合わせた case length gauge を用意すれば,薬莢のトリミングが可能になるものです.ちなみに妙に値段が安いと感じると思いますが,このプレス,実は鋳鉄ではなくてアルミなのです.まあそれでも十分な強度があるということではありますが....
他にもキットはありますが,一長一短はありますね.メインのプレスが高いモノであればやはりキットも高くなりますが,それなら自分で吟味したものを使った方がいいので,このくらいの価格帯までかなぁという気はします.キットの中で,これならずっと使うだろうというものを選んでいって,その値段がキットの値段より高くなるのであれば,もちろんキットを買うのはいいと思います.
ただ,どのキットもダイやシェルホルダは別途必要ですし,トリマーが入っているキットは上の Lee 以外にないということは,結局買い足しの必要はあります.安いからと言う理由だけでキットを選ぶと安物買いの銭失いになりますし,リロードの作業自体を楽しむことが出来なかったりすると残念ですから,ネット(
youtube でもブログでも)で数多くのリローダのやり方を見て,これだ!というスタイルを作っていきましょう.多分それに必要な用品はキットだと得られないと思います.