今回の検索ワードはこちら
３０８口径ハンドロード猟用
薬種，薬量の選定には三つのポイントがあります．それはまず(1)薬量あたりの弾頭運動エネルギーから考える方法です．私は燃費と呼んでいますが，単に計算で求めることができる指標です．あとは(2)グルーピングによる選別です．世の中ではこれがもっとも一般的な方法ですが，私の場合はそもそもの腕がないので薬量薬種による分散はマスクされます．ですから全く無視してます．最後は(3)着弾点における残存エネルギー．猟の場合はこれが一番重要ですね．
(2)はあったとしても猟への影響はほぼ無視できますし，いくら調べたところで銃によっても異なりますから，ここでは考えません．(1)と(3)，すなわち燃費と残存エネルギーだけで考えます．
まず必要なのは弾速です．308Win で出せる速度は Lyman のマニュアルを見ると 180gr で 2500fps 強といったところでしょうか．150gr だと 2900fps くらいです．試験銃のバレル長は 24" ですが，狩猟でそんなに長いのを使っている人はいないでしょう．よって 180gr で 2300fps，150gr で 2700fps とします．
ついで弾頭は何を使いましょう？北海道では鉛弾禁止ですし，Barnes TTSX あたりを考えてみましょうか．これの BC を入れて計算します．
JBM Ballistics のオンラインツールを使ってみた結果で，100yd zero での
drop も併記します．
まず 180gr TTSX を 2300fps で飛ばした場合です．
鹿クラスの射獲には 1000 ft-lbs 程度のエネルギーが必要とされています．もちろんこれより少なくてもあたりどことによるわけですが，一般論です．すると，400 yd くらいまでがギリギリということになりますね．1 yd = 0.91 m ですから 360 m くらいということです．
次に 150gr TTSX を 2700fps で飛ばした場合です．
これもやはり 400 yd くらいまでが限界のようです．
さて，内地では北海道のような広大な原野はあまりないので，主には林などでの近射猟となります．林は草葉があったりするので，弾道が跳ねないよう弾頭に RN を使うのが一般的です．
すると先ほどの計算とは BC が変わってくるので，再計算してみましょう．使用弾頭を例えば
Sierra 150gr RN とします．これを 2700fps で飛ばした場合は...
ここからざっと 230m くらいでエネルギー切れ（笑）という感じになります．尖頭弾の場合は 400yd までいけたわけですから，弾頭形状の影響はかなり大きいですね．
ちなみに私が実猟で使っているレシピは DC-300 を 40.0gr というものですが，これですと 2500fps くらいしか出ません．この場合の計算結果は以下のとおりです．
200yd すなわち 180m くらいまでということになりますね．まあ私が行く（というか，連れて行ってもらう 笑）ところは林の中ですからそんなに遠くを撃つことはありません．なのでこのレシピで今期も行きます．
.308Win
Sierra 150gr RN
DC-300 40.0gr
2500fps w/22"
