週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

日の出・日の入り時刻を考える

ハンターなら誰もが気になるのではないかと思う日の出・日の入り時刻.まあ鳥猟などはあまり遅くまではやらないでしょうから,特に気になるのは日の出でしょうか.そこでまずは日の出・日の入りの定義から考えていきましょう.これは日本では「太陽の上辺が視地平線 (または水平線) に一致する時刻」とされています.視地平線とは地形に起伏がないとしたときに見えるべき地平線の意味です.実はこの太陽の上辺が接するという定義は時代によって異なり,江戸時代や明治初期あたりは太陽の中心で定義されていたらしいです.また国によっても違うらしく,現在でもフランスなどでは太陽の中心での定義になっているそうです.

さて日の出・日の入りの定義が決まったところで,具体的な時刻の調べ方についてはどうでしょうか.法では「暦による」とされています.すると,暦ってなによ?ってことになるのですが,書いてませんが日本では国立天文台が発表している時刻と考えればよいです.ただしもちろん具体的時刻は場所によって異なります.すると,自分のいる場所の緯度経度から計算するのが(計算式さえきちんとしていれば)もっとも正確なはずですが,これを「暦」と法的に認めてもらえるのかは書いていません.今なら可能ですが,昔からの法律ですからそもそもそのような定義はできないのでは?と思うわけです.それに刑法だったかに「その地方の時刻」と定義されているのがどこかにあったような記憶があるのでした.

ですから時刻の決め方としては

(1)狩猟する地点の緯度経度から,

(2)狩猟する地点の属する市町村(役場)の緯度経度から,

(3)狩猟する地点の属する県(庁所在地)の緯度経度から,

のいずれかにおいて,国立天文台方式で計算するのではないかと考えられます.ただ(3)はないでしょうね.というのも,県からもらう資料にわざわざ代表的な市町村における時刻が記載されているためです.ですから,少なくとも「地方」というのは県単位よりは細かいと考えているわけです.

もちろん(1)実際に狩猟を行う場所の緯度経度から求めた日の出・日の入り時刻と,(2)その地方の日の出・日の入りと認められる時刻は異なる可能性があります.というのも,具体的には経度が1度違うと約4分の差ができます.これは経度1度に相当する距離は,北緯36度だと大体 90km です.ということは,東西に 22.5km ずれると日の出は1分違うわけです.まあ私が行くような場所ではほとんどここまではずれないような気がしますが,例えば高山市などは東京都全体と同じくらいの大きさですから,ここなどはだいぶ(1)と(2)は,ずれますね.また静岡市も大きいです.ただここは南北に長く,東西はそれほどではありませんが.

法律にこの点が書いてなかった(少なくとも私には見つけられなかった)ので,結局環境省に直接聞いてみました.すると(1)とのことでした.まあ実際には困難な人も相当数いるわけで,(2)でも運用上は許容される可能性は高いですが,原則的にはその地点で計算するのが正しい解釈であるということが分かりました.

まあこんな話を考えていたのはなぜかというと,自分の狩猟時計(PROTREK PRW-2500)には日の出・日の入り時刻表示機能がありません.他の欲しい機能を考えると全部入りというのが難しかったので,日の出の優先順位をさげたのです.ところが新発売の PRX-8000 にはこの機能が付いています.一瞬心引かれるものがありましたが,これに入力する緯度経度は1度刻みということなので,やはり時間的には4分刻みとなり,実際の時刻とは数分の差が発生する可能性があるわけです.他の用途ではそれでも構いませんが,狩猟の場合は何分も違うと大変なことに巻き込まれる危険性があるので,ちゃんと調べたかったわけです.

GPS ユニットは簡単に入手できるので,その地点における日の出・日の入り時刻を計算するプログラムを作れれば,自作できます(本職は電気屋).大気による屈折なども国立天文台では計算に入っているらしいので,ちょっと調べてみようかなぁと思っています.