鉛合金で鋳造したライフル弾頭を使用する際のレシピを考えるときには,その弾頭の硬度が参考データになります.Lee本に Hardness Tester の結果から最大腔圧を読む表がありましたので,それをグラフにしてみました.
赤い点が本に載っていたデータで,そこから簡単な近似式をえいやっと決めたのが青線です.多少ずれていますが,式が簡単になるので....で,その式は以下の通りです.
ただし
Pmax は最大腔圧 [PSI] で,
B はブリネル硬度です.
なお代表的な材質の硬度(BHN)は下表のようなものがありますので,上の式から最大腔圧も求めると....
材質 | BHN | 最大腔圧[PSI] |
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鉛 | 5 | 7,000 |
リノタイプ | 22 | 28,600 |
Lyman #2 | 15 | 19,800 |
10:1(鉛91%,錫9%) | 11.5 | 15,300 |
となるでしょうか.
ここで Lyman 本を見てみます.例えば Lyman #311332 mould (180gr)で 30-06 に組んだ場合,Lyman #2 合金を使用したレシピで SR-4759 32gr 2318fps で 57,500PSI なんてあるんですよ.上の表ではこの合金だと 19,800PSI までだとあるのに大幅に上回っています.大丈夫なんでしょうかね.ただ Lyman 本でも
most accurate load は 2400 を 21 grを使用した 1809fps, 24,500PSI にはなっていますので,低い方がよいことにはなっていますね.普通の jacketed bullet とは違う傾向が出ているのは確かなようです.
というわけで,上の腔圧-BHN特性は実際のところあてにはならないようだけども,精度の高いのはそれほど腔圧が高くはないので,そこそこにしておこう....というなんともいいようのない結果になったのでした.苦笑