週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

エゾシカ串焼きと新聞のジビエ記事

昨日,近所の串焼きやに行ったらエゾシカがあったので食べてみました.でも友人から送ってもらうもののほうがおいしいですねぇ.販売ルートに乗るのはある程度衛生管理されているでしょうが,それでも何かが違うみたい.などと考えていたらこんな記事が...

ジビエ利用鹿が最多 食肉販売8割 16年度 農水省初調査

2/11(日) 15:20配信 日本農業新聞

 農水省は、鹿やイノシシなど野生鳥獣の肉(ジビエ)について、利用量の調査結果を初めて公表した。2016年度の利用量は1283トン。獣種は鹿が最も多く、北海道での利用が最多だった。政府は調査結果を基に課題を洗い出し、19年度までに利用量を倍増させる方針だ。

 政府は17年、深刻な農作物被害の削減につなげるためジビエ利用量を増やし、19年度には倍増させる目標を打ち出した。詳しい利用量は把握できていなかったため、同省は鹿やイノシシなどを扱う全国の食肉処理施設を対象に調査を進めていた。

 利用量を用途別に見ると、食肉処理施設が食肉として飲食店などに販売したものが1015トンで、全体の8割を占めた。獣種では鹿(665トン)が最多で、イノシシ(343トン)が続いた。

 次いで多かったのは、ペットフード向けに販売された150トン。処理加工施設の職員が捕獲し、自家消費したものが84トンあった。

 ジビエ利用量を都道府県別に見ると、エゾシカジビエ利用が盛んな北海道が503トンで群を抜いて多かった。次いで、ぼたん鍋が有名な兵庫県(117トン)、鹿のジビエ利用が多い鳥取県(63トン)となった。

 ジビエ利用された野生鳥獣は8万9230頭・羽。このうち鹿は5万5668頭、イノシシは2万7476頭で、捕獲頭数(15年度)に対してそれぞれ10%、5%だった。比較的遅れているイノシシの利用拡大が課題の一つと言えそうだ。

 食肉販売や食肉処理の代行など、食肉処理施設がジビエで得た金額は30億3000万円。食肉販売額が28億9300万円で、鹿が14億8300万円、イノシシが13億7100万円だった。

いくら農業新聞とはいっても狩猟には素人でしょうから,この手の記事を書くときには食肉や狩猟にも詳しい人に見てもらえば,表面の数字だけみて論じるようなことは避けられると思います.とりあえず獲ったものを食肉処理に回すのは,思いつきでできるほどは簡単でないというのは食品衛生をかじったことがあるハンターだったら推測できると思いますが.

ちなみに私が出猟している県内には処理施設が一カ所しかないし(そして猟場からは遠い),例の放射能の関係もあるので市販に回すには困難はあると思います.それにうちの猟隊には,お金になるという風になればガツガツした気持ちが出てきてしまうし,売ったりしないで,みんなで肉を平等に分けることが,仲良く安全に続けるための基本であるという考えがあります.私もそういう考え方が気に入っていますが,まあとれても一回数頭ですから,分けきれないほどの量にはならないというのもあるでしょう.

ジビエ利用を推進したいなら,行政が金を突っ込めば可能でしょうけど,それによって金儲け主義に走る狩猟者が増えると,狩猟がかえって既得権重視の,初心者が足を踏み入れにくくなる世界になってしまうように思います.もともとは農業被害を少なくしようということから,ジビエの市場規模を大きくするという風に話が変わったのでしょうが,ブームになればしぼむのも早いし,そもそも里山が死に体になってるところから被害が拡大しているわけですから,そっちのほうを考えた方がいいと思うなぁ.