週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

単眼鏡のすすめ

狩猟の時,双眼鏡を持っていく人が多いと思います.というか,周りを見るとほぼ双眼鏡ばかりで,単眼鏡は滅多にみません.もちろん広い範囲から何かを探すという用途にはいいと思いますが,見たいものが決まっている(あれはなんだろう?という使い方をする)ときには単眼鏡のほうがいいんじゃないかな?と思います.単純に言えば,双眼鏡って単眼鏡が二個くっついているようなものなので,連結部を考えると重さは単眼の二倍以上大きくて,二倍以上重いわけですが,見える範囲が二倍になるわけではないです.製品によって異なりますが,トキナーの21mmで10倍の単眼鏡(ウルトラビューI 10~30x21ズーム)だと実視野が 2.1 度なところ,ほぼ同等と考えられる双眼鏡(10-30x21MC HG)で 3.2 度くらいです(いずれも10倍時).一方,重さは単眼鏡で 89g,双眼鏡で 258g です. 私の狩猟スタイルでは,双眼鏡の出番は遠くに下りた鴨の種類を判別するくらいしかありません.巻狩だと獲物は走ってくるのでそんなの悠長に見てる暇もないですから使うことがありません.単独猟をやるなら用途はあるかも知れませんが,それだって目で見て探して,あれってなんだろ?的なシーンで使うなら単眼でいいわけです. また細かい部分を見ようとするなら,分解能が高くて,収差のないレンズがよいです.双眼鏡に比べて半分以下の重さ,大きさで済むと考えれば,その分良いレンズ(普通は重くなる)を使った,性能のよい単眼鏡の方がストレスがないと思います.ほかの双眼鏡の欠点は使用時に自分の瞳の間隔に双眼鏡をセットしなければならないところかと思います.持ち運ぶときには縮めていますから,それを所定の間隔にセットしたりする手間,そして両目の瞳に双眼鏡の接眼レンズ軸を合わせるのを考えると,単眼だと間隔の設定はないし,瞳に合わせるのも片目でOKですから早いですよ. ところで双眼鏡にしろ単眼鏡にしろ,滑り止めの部分がウレタンだったりすると,最初は良いのですが,何年も経つと加水分解してべとついて気分が悪いので,経時変化の少ない材質で組まれた製品を選びたいものです.狩猟にしか使ってないと出番が来たときに劣化に気づくなんてことになりますからね. ちなみに私の愛用している単眼鏡はこちらです.
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Zeiss Mono 10x25 T* です.今でも4万円くらいするかと思います.値段は高いですけども,それだけの性能はありますね.5度くらい見えます.今まで二十年弱使っていますが,劣化を感じる部分がありません.もちろんゴムっぽいパーツ(接岸部)もべたつき無し.多分一生これでいくと思います. なんでそんな高いの使うの?って思う人の方が多いと思いますが,カメラやら天体観測の趣味があったものですから,とかくレンズにはこだわるんですよ.理解は求めません.笑 ただここではスペックの一部の比較しかしていませんが,実際は覗いてみて実感するのが一番なので,店頭でいろいろ見比べて買うのがよいです.そしてそのときに,双眼鏡だけでなく,その隣の片隅にそっと隠れている単眼鏡にも目を向けてやってください,というお話でした.笑