先日エントリしました「銃身過熱による着弾点変化」について定量的な評価を行いました.
記事は上記にリンクしましたが,連続射撃を行ったところ,着弾点がどんどん上がっていくという現象がおきまして,この原因は銃身の過熱によるものと推定していました.というのも,銃身は上部が開放されていて冷却が速いのに対し,下部は先台に覆われているため,銃身の上部と下部で温度勾配が生じます.銃身は通常正の熱膨張係数を持っており,熱くなるほど伸びますから,温度差があれば銃身が上方向に曲がる(から着弾があがる)と仮説を立てたわけです.といっても定量的に検討しなければ実際正しいのかは分かりません.そこで試算を行い,この仮説が正しそうだという結論を得ました.このことを順番に説明していきます.
まず筒先がどれだけ変位すれば妥当な着弾点変動が得られるのかを計算しましょう.実射では 100m 先の A4 サイズの的紙の中心に照準したとき,最初は中心に着弾しましたが,撃ち込むに従い段々着弾点が上昇し,50 発程度撃ったときには的紙の上部に達していました.ということは 15cm ほど上がったことになります.図示すると以下のようになります.
銃身長は 22" なので,560mm としますと,変位は 0.84mm あれば,100m 先では 15cm 上に着弾します.
【注意】一度検算はしていますが,間違いにお気づきの方がいらっしゃいましたら,コメントお寄せ頂けると幸いです.
つづく↓