週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

burn rate を考える

リロードをする上でバイブルとなるのは,やはり各種リローディングマニュアルですよね.これに掲載されている load data を見て自分のレシピを考えます.しかし,このデータを作成する時の条件は自分のものとは異なります.例えばあるデータには

243 Winchester

Case: Winchester

Twist: 1:10”

Barrel: 24”

Trim: 2.035”

Primer: Winchester LR

などと書かれています.これをうちのに適用しようとした場合,Caliber はまああってるのは当然ですが,Twist や Barrel は事実上,銃で決まってしまうので,違っていたらどうしようもありません.例えばうちの場合,Twist は同じですが,Barrel 長はこんなに長くありません.

まあその辺は仕方ないものとして諦めるとしても,用意できる powder や bullet も含めた組み合わせは,特に日本に住んでいると限られてきてしまいます.また国産火薬を使いたくても,普通に入手出来るマニュアルにはデータが載っていません.

そこで burn rate が使えないか?と(多分誰もが)考えるわけです.主だっては火薬を製造する会社が公表しているデータを見るわけですが,例えば Hodgdon や Accurate などのメーカのサイトでダウンロードできます.しかし,これらを見ていると,順番が入れ替わっているところもあったりするのです.おまけによく見ると実験条件が全く書かれていません.というか,そもそもこれらは chart であって,何らかの値で示されているものではないのです.

で,どのようにこの burn rate が得られるのか調べてみたところ,密閉された容器内での実測を元にしているようなのです.当然容積率などによっても結果は異なるでしょう.測定方法の規格が決まっていないということはないと思いますが,そもそもが火薬のロットによる差の方が大きい程度の違いしか元々ないのではとも考えられます.会社によって chart が異なるのはこのような理由による可能性もありますね.更に実際の銃では火薬の燃焼時間中に弾頭は銃腔内を進行しますから,当然上記の条件とはますます異なります.結局 burn rate はレシピの作成には使えない,ということが分かります.と,ここまで書いて chart の下にこんなことが書いてあるのを見つけました.

Never use these to determine/calculate loads.

値がないのでそもそも計算は出来ませんが,測定条件が異なると結果が異なる以上,推定すらできる性質のものではない,ということを言っているのでしょう.要するに全く無意味なものなわけです.

しかし,それならなぜこのような chart が一般的になっているのでしょうね?それはやはり何らかの「推測」をみんな(少なくともアマチュアは)しているのでしょう.というわけで,あくまでも「自己責任」で考えるしかないようです.