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LabRadar の国内使用を考える

LabRadar は電波を使用したドプラレーダーですので,国内で使用する場合には電波法の制約を受けます.免許を受けるにしてもどのようなものか分からないと手の打ちようがないので,調べてみると以下のようなスペックになっていました.
周波数帯:24.080 - 24.168GHz 送信電力:4.84dBm アンテナ利得:22dBi
電波法では微弱無線局の規定があり,これに合致すれば無線局の免許を受ける必要はありません.(用途などによらず自由に使うことが出来る)電界強度の許容値は以下のようになっています.
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グラフがログスケールですのでうまく読めないかも知れませんが,24GHz 付近での電界強度は 84 μV/m 程度でしょう.これ以下なら微弱無線局です. 対して LabRadar のスペックから推測される電界強度は 1.27 V/m (間違っていたらご指摘ください)です.桁4つくらい違いで大きいですので,まったく微弱の範囲にはならないことが分かります. さて近年の無線通信は多様化しており,以前のような手続きを経なくても許可される無線局の種類が増えています.これを特定小電力無線局といい,例えば 24GHz 帯では移動体検知センサーなどで利用できます.これに該当するための技術条件は以下の通りです.
周波数帯:24.050 - 24.250 GHz 送信電力:10mW アンテナ利得:24dBi以下(10mW以下の場合はEIRPが等価になる利得までよい)
これは LabRadar のスペックが包含されるため,技術基準適合証明を受けることによって利用が可能になると考えられます.従来であれば実験局免許を受ける必要がありましたので,手続きは簡略化できますが,どうやってこの証明を受けるかですね.順当に考えればメーカーが認証を受ければ良いのですが,費用が結構掛かりますので,日本の市場規模を考えると難しいでしょう.もちろん北米ではこれに相当する認証は受けているわけですが,日本では有効ではありません.ただ基準には合いそうなので,日本で使うために,個人的に TELEC のようなところで証明を受けることは不可能ではないのでやろうと思えば出来なくはないと思います.(実験局免許の方が簡単だったりして?笑) 余談ですが,輸出仕様は電力が低減されて測定距離が 30% ほどになると書かれていますが,輸出仕様であっても微弱ではないので日本の技適証明を受けていない限りはそのまま免許なり認証なりを受けずに使用することは出来ません.電波法違反で前科者になってしまうと大変です.我々銃砲所持者はなおさらそのようなことにならないように十分な注意を払っていきましょう.