週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

幸田露伴流 散弾号数の選び方

幸田露伴は釣り好きとして知られていますが,鳥猟も好んだようです.図書館で彼の作品を読んでいましたら,号数の選び方について彼なりのこだわりが書かれていたので,採り上げてみたいと思います.
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一般論としては獲物の種類や大きさと獲物までの距離等で最適な散弾号数は変わってきます.鴨だと近距離だったらトラップ弾(7半)くらいから,遠射だと BB くらいまで使われたりします.粒が大きくなれば当然粒数は少なくなります.また距離が遠くなるほど射獲につながる着弾数は減ります.反面,当たれば落ちる確率は高くなります. 幸田露伴はこのとき普通の人が使うよりも1段大粒を使うと言っています.普通の人が4号なら,自分は3号だと.鴨は矢に強いですが,それでも半矢になれば逃げた後で絶命することはあるでしょう.なので,なるべく半矢を出さないためにも,一撃必墜を心がけるべきで,それなら号数を上げるべきという考えなわけですね. 私の鳥屋撃ちの経験では,鴨までの距離は時期によってずいぶん違います.猟期が始まってすぐは,そばまで直接飛んでくるので,粒は小さくても大丈夫です.しかし時季も深まってきますと近くまで寄らずに遠くに降りて,少しずつ近づいてきます.そして射程に入った時点で撃ちますから,粒の大きい方が効きます.小粒散弾は距離による減速度が大きいので,遠いと当たっても効かないので,ちょうどよい号数というのが自ずと導かれるわけです.とはいえ,号数をそこまで用意するのは大変ですから,私の場合は7半と4号に決めてしまっています.そして4号では遠いと思えば,そもそも撃たないのです.撃ってしまうと二度と近づいてきませんから,撃たないことで次のチャンスを作るわけです. というわけで,幸田露伴は効く弾を使えと言いますが,私は持ってる弾で効かなければ撃たないという選択のお話でした.