週末猟師

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ITX を考える

鉛は散弾に求められる性質を満たすとても優れた物質ですが,なかなか代替品がありません.鉛自体の有害性は認められるものの,普通は直接口にすることはないので問題とはなっていませんでした.しかし北海道ではエゾシカ残滓に含まれる,鉛の入った弾頭片をオオワシオジロワシが食べてしまうことで中毒死するケースがみられたそうで,北海道での狩猟用鉛弾は使用のみならず所持すら禁止となりました.

現時点では鉛を含むライフル弾(鉛が飛散しない構造の弾頭は除く)とスラグや大粒散弾(buckshot#1相当以上)が規制対象ですが,本州でも一部鉛散弾禁止の区域があることを考えると,いつか自分の鴨場でも規制されるかも知れません.まあ釣りで使った残置おもりのほうが桁違いに量が多いですし,規制にも科学的根拠や実データが必要なので,そんなにすぐにということはないでしょうが.

でも考えておくのは大切だと思うので,非鉛散弾として本エントリでは ITX を考えてみます.

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これはタングステンと鉄の粉末から作られたもので,配合比によって比重は異なりますが,重いタイプ(Extreme-13)で鉛より16%重く,軽いタイプ(Original-10)だと1割ほど軽いようです.

まず重い Extreme-13 を使うとすると,自分の鴨マグナムは 1-1/2oz で組んでいますから,鉛弾で 1-1/4oz 相当の嵩になります.ワッズも一段落として白ワッズ(WAA12)になるでしょうか.レシピも若干変わりそうですね.

号数は #4 を標準にしていますが,16% 重いことから,一粒あたりの重さが同じになる号数を計算すると #5 になります.

ついで軽い Original-10 を考えます.こちらは鉛より1割軽いことから 1-5/8oz 相当の嵩になります.入るかなぁ.逆に鉛と同じ嵩なら ITX は 1-3/8oz くらいですので,これはできそうです.当然レシピは変わりますが.号数は少し大きくなりますが3号との差が大きいので4号のままで行くことになりそうです.

最後に値段を考えます.まず重い Extreme-13 です.なんと 1.5LB あたり $47.59 もします.10キロだとざっと7万7千円です.恐ろしい値段ですね.1-1/2oz 弾だと1発あたり散弾だけで330円です.それも送料抜きです.軽い Original-10 でも 7LB で $153.90 とありますから,1-1/2oz だと一発230円といったところでしょうか.

とてもではありませんが採用できない価格ですね.非鉛はやはり鉄になってしまうのでしょうか.もしスチールにしたとすると,うちの銃身は対応していないので,銃ごと買い換えないといけません.しかし,ITX の値段を考えるとかえってその方が安いことになりそうですね.苦笑 あとはビスマスとか錫もできそうだけどどうかな~.