週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

Concentricity Tool

ひょんなことから発注をかけた O 君絶賛の Concentricity Tool が届いています.正直私程度の腕では差が出ないと思うのですが,meplat いじるくらいなんだから,とりあえず挑戦はしてみようという企画.
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これがなんだか分からない人のために説明しますね.普通ライフル弾って,薬莢と弾頭の中心軸は一致しているべきものです.
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何にも知らない人でもそのくらいは想像が付くでしょう.これを concentric といいます.ところがハンドロードにしても工場装弾にしても何らかの原因によって,まっすぐ入らないこともあるわけです.
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曲がったまま撃つと精度が悪くなるであろうことは想像できますね.このズレ(runoutといいます)は0に近い方が良くて,だいたい 2/1000" 以下に収めるというのが目安らしいのですが,この runout を測って,それを小さくする道具がこの Concentricity Tool なわけです.原理としては下図のように,ヘッドと弾頭のポイント付近の2点で保持して,回転させれば測定も修正も可能になるというわけです.
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では実例を見てみましょう.まず弾をセットします.
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そしてカートリッジを回転させます.
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するとゲージが上下に振れます.例えばこの弾の場合は最小がこちら.
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最大がこちらです.
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値自体には意味がなくて,単に表示値の大小の差だけを見ます.数字は千分の1インチ単位です.この例だと約 1.5/1000" ということです.これでも十分な精度と考えて良いのですが,もし不満があれば修正をかけます.カートリッジを回転させて読みが最小になるところで止めて,補正用のサムスクリュを回し込みます.
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すると弾を横から押すことになるので,曲がりが小さくなっていくわけです(straightening).押しすぎれば逆に曲がることになるので,行き過ぎないように気をつけながら調整していきます.まあ行き過ぎたら逆から押せばいいのですけども.で,今回の場合は数回の操作でこんな感じになりました.最小が
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最大が
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です.差は大体 0.5 くらいになりましたね.結局 runout は 1/3 になったということです. このダミーは猟隊の先輩が作ったものなので,もともとある程度の精度になっていたようです.私がテキトーに作ったダミーも測ってみたのは撮影を忘れましたけど,結構な runout がありまして,このツールで直したら値が読めないくらいにまっすぐになりました.まあダミーなのできれいにまっすぐにしたところで意味は無いのですけどもね.笑 今後これで調整したのとそうでないのでグルーピングがどのくらい変わるのか実験してみたいと思います.お楽しみに!(って,期待されてる方いらっしゃいますかね?笑)