週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

価格からダイメーカーを考える

すでにリローディングをやってる方は,多分愛用のメーカーが決まっていて,仮に他の口径のライフルを追加で買ったとしても,ダイは同じメーカーを選ぶんじゃないでしょうかね?どのメーカーにしても慣れれば不満はないと思いますから,わざわざ乗り換えるような冒険はしないのではないか?と思うわけです.

ではこれからリローディングを始めるという人はどこのダイにするかって問題がありますよね.最初に買ったメーカーと一生添い遂げるであろうからです.笑 で,ここは無難に Big 6 (RCBS, Redding, Lee, Hornady, Forster, Lyman) から選ぶと考えてみましょう.

ぱっと見の違いで大きいのはステムです.この中でステムがローレットつまみになってて操作が簡単なのは Redding だけで,あとは Lee がコレット固定,それ以外は全て全ネジ式だということを前エントリで述べました.

日本に住んでいるとそうそう簡単に買い換えはできないので,多少高くても後で不満が出てこなそうな Redding というのは,私からすれば安パイなのですけども,みなさん注視するポイントはそれぞれ違うでしょうから,本稿では価格でも考えてみることにしましょう.というのも,リローディングはあくまでも経済的にライフル弾を入手するための作業であって,その作業自体には全然こだわるつもりがないって人はかなり多いと考えられるからです.私のようにリロードのためにアンロード(射撃)するなんて本末転倒な人は,そんなに多くないと思いますしね.笑

さて,価格比較の上で,ダイはそれぞれのメーカー内でもランクというか種類がいくつもありますけど,ここではスタンダードな 2-die セットで比べましょう.フルレングスサイジングダイとシーティングダイのセットです.これが最も基本となる組み合わせですので,各社最も安価にラインナップしています.そして日本だと 308Win が最もメジャーなカートリッジだと思うので,その 2-die セットの販売価格を大手通販会社の Midway USA で見てみます.ここは海外発送してくれませんけど,大手で品揃えがよく価格が調べやすかったというだけで他意はありません. ではまずは RCBS からいきましょうか.

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$39.99 です.次は Lee です.

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なんと $19.99 です.他社と比べても Lee は圧倒的な価格競争力があります.だからといって,中国製とかではなくて,ちゃんとアメリカで作ってるのです.次は Redding です.

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これは $62.99.結構高いかも知れませんが,日本でライフルなんてそんなに数(種類)持てるものじゃないから,このくらい出してもいいとは思いますけどね.次は Hornady です.

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$39.99.奇しくも RCBS と一緒.まあこれが標準的なところなのでしょう.次は Forster です.

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これだけラインナップにスタンダードがなくて,ベンチレストダイという高級品です.価格は $94.99 で,シーターに弾頭のガイドスリーブが付いているから高いのだろうと思います.ですから,ちょっと他と同列に比較するのは違うかなと.最後は Lyman です.

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$41.99 です.わずかに高いけど,ほぼ誤差範囲の標準価格かと思います.

というわけで,Forster は並べられるラインナップがなかったので外して考え,RCBS, Hornady, Lyman は横並びの標準的な価格とすれば,なんと言っても Lee がざっと半額でぶっちぎりに安く,Redding は5割増しという結果になりました.

私がもしアメリカとかに住んでいて,拳銃やらライフルやらいっぱい持っていたとすれば,間違いなく Lee を選んだと思います.というのも,ここでは最小の組み合わせである 2-die を採り上げましたが,他にもネックやらクリンピングやら種類がたくさんあって( Lee は幸いそれほど種類はないけど),ハマるといろいろ欲しくなっちゃうんですよ.なのに Redding なんか選んじゃった暁には,ものすごい金額になっちゃいます.そんな環境ではやっぱり Lee の圧倒的なコスパの高さには勝てません.Lee 一択.

反面 Lee に対する不満は,アイテム種類が少ないことです.例えば,シーターステムがマイクロメーターのタイプがないとか,ブッシングダイがないとかです.合理的に考えればそんなのいらないから Lee ではラインナップしてないのですけども,日本だとそんなにたくさんのカートリッジ種類を持てないから,日本の弾職人からすれば,その分一つにこだわりたくなるものなのです.道具道とはそういうもの.そんな向きには Lee は適してないというわけです. このことはこの辺はお店で扱っているアイテム数にも現れています.(Midway USA の 308Win ダイ関係取扱アイテム数)

Lyman 6
Forster 8
Hornady 9
Lee 10
RCBS 15
Redding 27

Redding は圧倒的にアイテム数が多いです.ですからこだわる向きには楽しいメーカーだってことになりますね.その分,買わされちゃうわけですけど.苦笑 というわけで,とにかく安さなら絶対王者 Lee,リローディング沼にハマりたいなら,なんでもある Redding,あとはお好みでって感じでしょうか. そうそう,リローディングをまだやったことがない人はご存じないかも知れませんが,ダイを選ぶのにプレスと同じメーカーにしなくちゃいけないってことはありません.ここでとりあげたダイは各社全てねじ部が 7/8"-14 という規格になっていて,プレスも普通はこれにあうようになっているので,うちなんかは RCBS のプレスに Redding のダイだし,その逆とかも,全く普通にある組み合わせとなります.揃えても良いし,ごちゃ混ぜにしてもOKです.