週末猟師

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なぜ Redding のダイを選んだか

ライフルのリローディングツールで一番主たる仕事をする主人公はやっぱりダイじゃないでしょうか.もちろん図体がでかくて目立つのはプレスですけど,プレスなしでのリローディングはあり得ても(例:Lee Loader),ダイのないリローディングはないわけですから,やっぱりこだわるべきはダイかなと. ところで用品各社からリローディングダイはリリースされています.特にメジャーどころといえば,RCBS, Redding, Lee, Lyman, Forster, Hornady といったいわゆる Big 6 (総合リローディングブランド)ではないでしょうか.各社カラーというものがありますけど,私はダイにはほぼ Redding を使っています.プレスには RCBS だったり,ケースゲージは L.E. Wilson だったりと,ダイ以外のツールはいろんなメーカーを選んでいますが,なぜダイは Redding なのか?というのが今回のお話です. 基本的なサイジングダイの cutaway の図を見てみましょう.
sizingdie-cutaway.jpeg
これは Hornady のダイですが,基本はどこのメーカーも一緒です.注目してもらいたいのは真ん中のステム(ディキャッピングロッド)なのです.これにはピンの上部にエキスパンダボタンといって,薬莢のネックの内径を規定値にするためのパーツがついています.ダイをプレスにセットするときには,ダイ本体だけでなく,ボタンの高さも適切にしなければなりません.下げすぎればボタンが薬莢底面にぶつかるし,上げすぎれば雷管が抜けないからです.この調整はステムを上下することで行います.上に出ている部分を回すのですが,ここは全ネジになってるのが多数派です.例えば RCBS はこんな感じ.
sizingdie-rcbs.jpg
全ネジになってます.Lyman も同じ.
sizingdie-lyman.jpg
Forster もですね.
sizingdie-forster.jpg
全ネジだとネジ面を指でつまんで回すか,おしりにスロットが入っていれば,マイナスドライバでそこを回すことになって,指が黒くなるとか,痛かったり,不便だったりします.Lee はちょっと違うので例外としますが,
sizingdie-lee2.jpg
高さを調整するようにはなっていません.ステム上面がリテイナーと面一にすれば適切な高さになるのだったと思います.ステムはネジになっておらず,ボルトみたいに見える頭が,コレット式のリテイナーになっていて,ディキャッピングピンに無理な力が働くと,ステムが滑って上に飛び出ることでピンを保護するようになっています.しかしこのコレットが鬼のように固いのです.緩いと抜けちゃうし,結構難しい.苦笑 さてうちの制式である Redding はどうなっているかと言いますと,
sizingdie-redding.jpg
一番上の黒のローレットつまみがステムと一体になっていて,これを回すことで上下できるのです.サイジングダイはたまに掃除する必要があるので,ステムが簡単に抜ける方が楽なんですよね.調整も楽ですし.もちろん全ネジタイプでもローレットつまみに締め付ける仕組みになっていれば,つまみを回して着脱可能ですが,ロックされていないと高さも変わるし,手でネジ面に触れることになります.それに不要に長い全ネジステムは邪魔に感じます.まあ Redding 以外がこの仕組みと言うことは気にしない人の方が多いってことかも知れませんけど.笑 気分の問題は置いておいて,なぜ他のメーカーが全ネジになっているかというと,この部分の長さをカートリッジによって細かく変えたものを用意する必要がないからだと思います.短いカートリッジなら長く飛び出させて,長いカートリッジなら逆になるだけですから.よってメーカーとして用意しておくべきパーツの種類が減らせるわけです.もちろん Redding のステムも多少の調整代はありますけど,全ネジ式ほどは広くカバーができないでしょう. 私の周りも Redding 愛用者が多いですね.それを選んだ理由が私と同じかは分かりませんが,とりあえずそういう視点で私は選んだってお話でした.それぞれ皆さんご愛用メーカーがあると思います.それはどちらでしょう?そして何故それを選んだのか,是非コメントで教えてください. ちなみに L.E. Wilson のダイは使ったことはないですが,多分同じような構造だと思います.
sizingdie-lewilson.jpg
ただプレスに付けるタイプにはブッシングフルダイしかないので,最初に買うダイとしては選びにくいでしょうね.