こんな製品が出ていたことに遅まきながら今頃気付きました．
これは Lee Breech Lock Bushing Press Conversion Update Kit という製品です．写真の右に出っ張っている黒い部分はスプラインドライブ用のロックリングレンチが掛かった状態になっていて，銀色の部分は QC のブッシュとロックリングが一体になったもの，下の黒いのが今回注目しているアダプタで 1-1/4"-12 と 1-1/2"-12 用があります．前者は付属のブッシングを外せば一まわり大きいダイも付くけど，普段はブッシング付きで使うようないわゆる普通のプレスで，後者は 50BMG とかが扱えるプレスです．
普通のプレスはダイをねじ込んで使いますが，まともにねじ込んでいては何回転もしなければならず手間がかかるので，シングルステージプレスだと QC (quick change) システムを使う人が多いです．これを使うと 1/4 回転もすれば完全にロックされるスナップオン式になるので，ダイの着脱がとても簡単なのです．従来はいろんなメーカーのプレスに共通して付けられるものは Hornady の Lock-N-Load システムくらいしかなくて，うちでもそれを標準で使ってきましたが，希に使用中の衝撃で緩むことがあり，それを気付かずに使用を継続していると，あるときいきなり外れて，キー部分が損傷する事故が起きたりするのです．あとは Hornady が製品を米国外に出すことを嫌っているというのも，今後の入手性に問題を感じる点です．
一方，Lee の QC システムである Breech Lock は，ブッシュのノッチにプレスのロックがはまって動かなくなるような上手い仕組みになっています．もし Lee がこのシステムを他社のプレスにも使えるようにするコンバージョンキットを出してくれていたら，私もそれを使ったかも知れませんが，少なくとも私がプレスを買ったときには，Breech Lock にもともと対応したプレス（当然 Lee の製品のみ）を購入するしか方法がありませんでした．
うちでは携帯用ハンドプレスは Breech Lock を標準にしているものの，自宅のベンチマウントプレスの QC システムは全て Hornady で統一してしまっているので，いまさら Breech Lock に乗り換えるのもコストが掛かりすぎますけども，RCBS のプレスは二台あるので，サブの方に Lee のこの製品を付けてみて，使い勝手などを確かめてみたい気はします．
気になっている点としては，このコンバージョンキットだと，プレス側にノッチをロックするボタンがないので，緩み止めが働いていない状態で使うことになるのではないかと言うことです．だとすれば，Hornady と同じような事故が起きるかも知れません．あとは Spline Drive Breech Loack Bushing がアルミ製なところも強度的にやや気になっています．
ロックリングと一体になっているのは利点かも知れないけど，アルミは柔らかいですからね．ちなみに以前からあるブッシングは鉄です．
これは丈夫でよさそう．ロックリングは別に用意しなくちゃいけないけども...．
