週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

アメリカにおける銃の存在

アメリカで銃砲店巡りをしていると分かると思いますが,銃砲店が質屋(pawn)と一緒になってのをよく見かけます.これはアメリカの歴史的背景から来ているのだと思います.身を守るのはあくまで自分自身ですから,西部開拓時代,銃を片手にやってきて無一文に,身につけている金目の物と言えば銃くらいしかない,みたいなことなのでしょう.昔の日本でいうところの刀の立ち位置に,アメリカの銃は未だにあるのだと思います.

アメリカではもちろん州(市)によっても運用は違いますが,銃を持つことは国民の基本的権利と考えられています.今となっては市街地なら警察官もちゃんといますし,銃はいらないと思うのですが,広大な国土ですから,ど田舎に行けば警察が来てくれるのは1時間後,とかざらにあるでしょう.そうなるとやはり家を守るのに銃が要るという考えも,歴史的背景から考えても理解できます.もちろん特に市街地ではそんな物騒なものいらないと言って,銃をもってないうちも地域によっては多くありますし,持ってる人を毛嫌いするようなところすらあります.

日本では維新によって武家社会が崩壊し,廃刀令によって侍の命であった刀は捨てさせられました.もし維新がなければ,今でも刀は日本人の精神性を表すものとしてみんなが持っていたかも知れません.で,もっと気骨にあふれた人が多かったかも.アメリカに銃を捨てさせるには日本で言う明治維新相当のドラスティックな国家的改革,変化がなければ無理でしょうね.

日本で明治維新前と後でどっちがよかったかというのは無意味ですが,社会も価値観も変わった以上,日本人の気質はその前後で変わっているはずです.よく日本ではアメリカは銃社会だから事件が多いんだ,などと短絡的に評価しますが(同じく銃社会であるカナダでは事件は少ない),アメリカ人が銃を捨てたら,また日本と同じように今のアメリカとは違う国になることでしょう.それがいい変化であればよいのですが,もしかしたら catastrophe かも知れません.

とまあ,こんなことを gun & pawn を見て考えてました.笑

(*)この記事における「銃」とは対人にしか使いようがなさそうなハンドガンのことをさしています.