週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

三種の標準・30-06編

前に火薬も一つにまとめたいということを書いたとき,そのときの暫定標準としては IMR-4064 でいいや,ということにしましたが,三種の caliber にいくつかの bullet を組み合わせるので,分かっていたことですが結構帯に短し襷に長し的なことが起きてしまいます.そこで火薬の縛りを緩めて3種類くらいまではいいことにしようと思います.ただデータ取りのことも考えて現時点ではあまり増やすつもりはありません.ここでは在庫上 IMR-3031, 4064, 4350 にしぼります.

 

さて,良い火薬とはどんな火薬でしょうか.本来なら internal ballistics を考えるべきですが,もっと単純化してみると,基本的には同じ弾速を出すときに必要な薬量が少ない薬種を選択する,ということになると思います.また標的位置における drop は空気抵抗を無視すれば,飛行時間の二乗に比例しますので,なるべく時間は短く,要するに速度は大きい方がよいでしょう.ただしリコイルがその分大きくなりますので,maximum load を考えずとも,自ずと限度はあります.

 

具体的な値で考えてみましょう.単純化のため空気抵抗を無視します.すると飛行時間0.1秒で5cm落ちます.仮に弾速が900m/s (2950fps) であったとすると,90m飛行すると5cm落ちると言うことです.もちろん実際は空気抵抗があるため弾速は落ちますので,当然飛行時間は長くなり,drop も変わりますが,オーダーとしてはこのくらいであるということです.弾速を10%減らすと drop は 6cm になります.20%減だと 7.7cm です.

 

単純な的紙撃ちならどんなに遅くても drop さえ決まれば問題ないのですが,それは空気抵抗がない場合です.実際の accuracy load を考える場合はそれに加えて弾頭の設計,バレルとの兼ね合いなど internal bullistics も複雑に絡み合いますので,基本的には最適点がどこかにあるでしょう.しかし,それを見つけるのは難しいため local optimum であってもとりあえずはそれを求めるのが最初のステップとなるでしょう.

 

さて話がわき道にそれましたが,とりあえず近々に撃つことが決まっているパターンは 30-06 の 150gr です.これを 2900-3000fps くらいで使いたいです.ほとんどマニュアルでは maximum load になってしまいますね.仮に 2900fps にすると,IMR-3031 で  48.6 gr(max), IMR-4064 で 50.3 gr, IMR-4350 で 57.2 gr です.この場合は IMR-3031 が一番少なくて済みます.ただし 3000fps 出したいなら IMR-3031 では無理で,IMR-4064 で 52.1gr(max), IMR-4350 で 59.0gr(max) です.この場合は IMR-4064 が適していそうです.

 

というわけで, 30-06 + 150gr. の場合

  • 2900fps で IMR-3031
  • 3000fps で IMR-4064

が解となりました.

 

あとは対羆として 180 gr. を持っていますが,これは流石に IMR-3031 では難しいようで,IMR-4064 だと max 48.7gr. で 2700fps, IMR-4350 max 55.3 gr. で 2800fps となっているため,これには IMR-4350 を使いたいと思います.お守りですが.


【追記】マニュアルのマックスロードはかなり安全を見込んでいるので,自分の環境では高圧の予兆みたいな現象は一切出ませんでした.そこで DC-300 (うちの環境では IMR 3031 とほぼ同じ)はレシピが確立していないこともあり,実測したところ 150gr 弾頭でも 3100fps までは出ました.3200fps までいくと脱管したので止めましたが.このあたりのお話はこちらで.