先日買った Sierra Reloading Manual と,Lyman 50th でレシピがどう違うか見てみました.
ここでは 308Win で比較してみましょう.よく使う 150gr SP を見ます.私の主力推進薬は H4895 なのですが,Lyman の方に載ってないので,とりあえず IMR-3031 と IMR-4064 あたりで見てみましょうか. まず Sierra の IMR-3031 では
- 39.3gr - 2550fps min
- 40.8gr - 2650fps
- 42.4gr - 2750fps max
ついで Lyman では
- 40.0gr - 2544fps min
- 43.5gr - 2942fps max (compression)
でした.単位薬量あたりの弾速変化(Δ)を求めると,Sierra では 64.5fps/gr なのに対し,Lyman だと 113.7fps/gr で結構違います.試験銃はいずれも 24" Universal で,ツイストも 1-10" で同じなのですが....
火薬メーカーが出したマニュアルだと大盛推奨な傾向があると言われていますが,Sierra/Lyman はいずれもちがいます.が,これだけ比べると Lyman の方が強気ですね.次に IMR-4064 で見ますと,Sierra は
- 41.2 - 2550 min
- 42.8 - 2650
- 44.7 - 2750
- 46.8 - 2850 max
でした.Lyman は
- 43.0 - 2645 min
- 48.0 - 2890 max (compression)
です.Δは Sierra が 53.6fps/gr,Lyman は 49.0fps/gr です.こちらは 3031 ほどの差は無いようです.
ちなみに火薬の燃焼特性は温度によっても変化しますが,これらのマニュアルにはいずれも試験時の気温などは書かれていませんでした.なので,どの辺から差が出てくるのかはわかりにくいですが,バレル長も差はかなり大きいですし,それ以外も自分の環境とは異なるので,いずれにしても自分でレシピは作らないといけないのは確かです.
ところで以前 Hodgdon のデータを見たときには盛りが良かったので,さすが火薬メーカーだ,と思ったのですが,上のケースではどうなるか見てみました.すると IMR-4064 の max は 47.7gr,3031 は 43.5gr でした.Sierra に比べれば大盛り推奨なのは確かですが,Lyman と比べるとそれほどの差は無いですね.そう考えると,「火薬メーカーのマニュアルは概して盛りが良い」というのは単なる偏見だったかも知れません.笑