ある口径である弾頭重量を押すのに使える候補となる火薬はいくつもあります.その中でどれを選べば良いかというと,以前も書いたと思いますが,基本的には同じ弾速を出すのに必要な薬量が少ないものを選ぶのがよいと考えられます.それはまず第一に経済的であると言うこともありますが,他にもリコイルが小さくなると言う利点もあります.リコイルは命中精度に影響を与える大きな要因ですので,小さいに越したことはないのです.
私のよく行く銃砲店で入手できそうな火薬としては,IMR3031, 4895, 4064, 4350, Varget などがありますが,この中から弾頭重量毎に最適な薬種を選んでみます.Hodgdon のページで例えば 150gr 弾頭の場合を調べてみると Maximum Load はこんな結果になります.
これより最も少なくて済む IMR 3031 が解となります.弾速は低いですが,注意が必要ながらここから少しずつ増量することが出来ますので,実際には 3000fps は余裕で出せます.一方 IMR 4850 は弾速こそ割りと出ているもののすでにコンプレッションロードになっていますから,ここからの増量はほとんどできないと思って良いでしょう.そもそもがもっと大きな薬莢に適した火薬なのです.と,まあこのように解を求めていくわけです.
では実際に 30-06 の場合を求めますと...
110gr IMR3031125gr IMR3031
150gr IMR3031
165gr IMR3031
180gr Varget, IMR4064
200gr IMR4064, Varget
220gr Varget, IMR4064
となりました.
ちなみに 308 Win の場合も同様に求めまして
110gr IMR3031125gr IMR3031
150gr IMR3031
165gr IMR3031
180gr IMR3031
200gr Varget
でした.
ついでに 243 Win だと
60gr IMR303170gr IMR3031
80gr Varget
90gr Varget
100gr Varget
110gr Varget
結局うちにある口径では IMR3031 がほとんどで使え,狩猟用に Varget を持っていればカバーできることが分かります.
もちろん Hodgdon のデータで使用されている銃はうちのとは違います.特にバレルが長めのものがデータ取りに使用されているので,自分の銃だと弾速はリストより遅くなるでしょう.また,バレルが短いためもう少し burn rate の速いものが適している可能性はあるのですが,候補の中では IMR3031 が最も速いので,いずれにしてもこの条件では最適解と言って良いかと思います.
ちなみに散弾用には Longshot がすばらしい汎用性と性能を持っていることを確認していますので,うちではとりあえず IMR3031, Varget, Longshot の3本立てで行こうと思います.あまり火薬の種類を増やしても大変ですからね.(射撃用と狩猟用でわけないといけないので,種類が増えるとさらに管理の複雑さがアップ.苦笑)