.308 Win と 7.62x51mm NATO の違いとは
一般的には .308Win は 7.62×51mm NATO の民生版で実は同じモノ....と言われています.が,それは本当でしょうか?違うならそれはどんなところなのか?というのが,今回のお話し.日本のお店でも売っている 308Win.そして売っているところは見たことがないけど,同じ Winchester で 7.62×51mm もあります.わざわざ二種類売られているということは違いそうですよね.ところがこれらの弾は外から見る限りは全く同じに見えるのです.
まず銃の方を考えますと,実は両者のチャンバーはヘッドスペースに違いがあります.308Win は 1.632" なのに対し,7.62×51mm は 1.645" と,わずかに長いのです.軍用はジャムると即,死を意味するシーンもあるでしょうから,これを少しでも避けるためにチャンバーがわずかに大きめに作られているのではないかと思います.
そして,先ほど弾は同じだと書きましたが,実は薬莢の厚みが 7.62×51mm の方がやや厚いのです.先ほど述べたようにチャンバーが大きめになっていると言うことは,その分薬莢の伸びしろが必要ですね.そのために厚くなっているわけです.
ただし最大腔圧は 308Win が 62000 PSI となっているのに対し,7.62×51mm は 50000 PSI と 20% ほど小さくなっています.ですから,308Win 実包を 7.62×51mm NATO 仕様の銃に使用することは注意が必要なわけです.
さて我々が日本で買うライフルは多分 308Win が一般的だと思います.この場合は上記のようなわけで,実包が 308Win であっても 7.62×51mm NATO であっても問題は無いのです.しかし逆だと腔圧の問題もあるし,ブラスの厚みが薄いのにヘッドスペースが大きくて伸びが大きいので,切れやすいかも知れませんね.
ですからリローディング用の薬莢も 7.62×51mm NATO 規格のものが米国だと市販されています.
Federal Lake City Reloading Brass 7.62x51mm NATO です.これを 308Win で使うことは問題ないと思いますが,その場合の寿命は長くなることが期待できそうですが,実際はどうでしょうか?