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【勝手にFAQ】腔圧とは

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腔圧とは+銃砲
腔圧(くうあつ)とは発射時に銃腔(銃身内側)に掛かる圧力のことです. 現在ではこの圧力はピエゾ素子という圧電素子(歪みを電圧信号に換える)を使った装置で測定されます.この世界はやはり米国が強いので,よく使われる単位は psi です.pound/inch2 (lbf/in2)ということです.ちなみに 1 psi は大体 7 kPa です. 腔圧は薬量や弾頭重量によって変化しますが,これらが同じであっても薬莢形状の違いでも変わります.また気温(正確には発射時の薬莢内の温度)によっても左右されます.これは火薬の特性に起因するものです.一般的には腔圧を上げるほど弾速は速くなるわけですが,薬室側にも限界はありますから,その辺は SAAMI という機関で基準となる最大腔圧が決められています.例えば 30-06 であれば 60000 psi, 308Win は 62000 psi といった感じです.銃側はこの圧力が掛かっても壊れないことが要求されますし,実包側はこの圧力を超えないように調製されている必要があります. ちなみにピエゾ素子が無かった時代,腔圧は銃腔に小さな穴を開け,そこに決められた形状の銅のパーツを取り付け,それがつぶれる大きさから圧力を規定していました.これによる表示は CUP (Copper Units of Pressure) と呼ばれますが,CUP と PSI は概ね比例関係にあるものの,正確な変換式はありません.過去から積み重ねられた膨大な腔圧データのうちピエゾ素子で取り直されたものは PSI で表示できますが,測定し直していないデータに関しては CUP のまま残されていますので,いろんな腔圧データを見ると,中には CUP で書かれているものもあるのを見つけるでしょう. Bramwell 氏[1]がアメリカのデータを使って CUP と PSI の対応をデータから作ろうとした例を見ますと
PSI = 1.516 × CUP - 17902
という直線になったそうです. まああくまで概算ではありますが,大体この程度の相関はあると言うことが分かると思います. 参考文献 [1]Denton Bramwell, “Correlating PSI and CUP”, shootingsoftware.com (2002).