週末猟師

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セミプログレッシブ

シングルステージのプレスでは普通バッチローディングを行います.これは作業するすべての薬莢に対しある工程(例えばサイジングなどのこと)を施した後で,次の工程に移る方式です.要するにローディングブロックを介在させるタイプですね. ターレットの場合も同じなのですが,回すだけで次の工程に移ることが可能なので,プログレッシブとは違いますが,バッチローディングでもない方法が可能です.要するに一つの薬莢にすべての工程を施し実包を完成させた後で,次の薬莢に移るというような方法です.米国人に聞いてみましたが,特に名称はないと言われましたので,ここではこの操作をセミプログレッシブと命名させていただきます.笑 さて,以前こちらターレットなら Redding T-7 だと書いたと思いますが,これはもちろん Redding の製品が頑丈でよいと思うことに加え,装着できるダイの数が多いというのが理由でした.逆に Lee のは穴が4つしかつかないので,触れませんでしたが,実は Lee のターレットプレスには大きな利点があります.

 

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Classic Turret Press

 

それはまず一つに,ツールヘッド(ターレット)の着脱が簡単だということです.Redding がネジを外して交換するのに対し,Lee のはバヨネット式でワンタッチですから,キャリバ毎に個別のヘッドを用意すれば,キャリバが変わっても簡単に対応できます.

 

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もう一つの利点は auto index がついていることです.これはレバー操作するとターレットが一コマ分回転する機能で,バッチローディングをする場合は止めることができます.index rod をセットするか否かで auto index か manual index かを選べるのです. これにより Lee のターレットプレスはセミプログレッシブローディングが容易になるのが大きな利点であろうと思います.それでも価格は $120 くらいですからコストパフォーマンスも素晴らしいです.ただ実物を見たことがないので,強度的な不安がゼロではありません.実際 index rod のラチェット部分がプラスチックなので,ここが危ないという話は聞きます.もちろんその場合でも rod を外せば手動操作は無問題です.ベースは鋳鉄製のようですから丈夫でしょう.そんなわけで,最初は普通にバッチローディングして,リロードの基本が身につき,レシピが決まって慣れてきたらセミプログレッシブ操作にする,みたいなことができますから,最初に買うプレスとしては悪くないかも知れないと今になって思いはじめました.まあ実際に使ったわけではないので,見落としている点があるかも知れませんが. ちなみに4つのステーションは,

  1. ディキャッピング+サイジング+リプライミング
  2. チャージ
  3. シーティング
  4. クリンピング

というような使い方ができるでしょう.チャージに関しては Auto-Drum あたりにするとレバー操作に連動できるので,すぐにシーティングに移れ,火薬をこぼしたりする危険がより少なくなる反面,薬量の確認がおろそかになりがちだということにも注意が必要ではあります. まあ日本だと高々百個しか一遍には作らないわけですから,じっくり時間をかけて丁寧にバッチローディングしたほうがいいのかも知れません.と,結論はどっちだよ?という感じですが,まあこんなのもあるよ,という話にとどめておきましょうか.笑