週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

極圧剤を考える

コメントいただいたので極圧剤についても書いてみたいと思います. ご存じの通り,薬莢のサイジングをする時にクラシカルな方法ではラノリンベースのルーブを薬莢に塗ったり,ネックだけだったらグラファイトやマイカといった粉末のルーブを付けたりします.このルーブの役割は主だっては高圧で擦りつけられる薬莢とダイを焼き付かせないことなので,必要なのは極圧剤なわけです.ラノリンもそういう役割ですからね. 面倒くさがりな私は,バイクで使っている極圧剤(EPL)をここに使ってはどうか?と思ったわけですね.いろんなメーカーが出していますが,うちのはエーゼットの CKM-001 です.

 

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試したところ,ちょっと臭いは気になるものの,塗布の手間が劇的に少なくなって良かったと思っておりました.さらには薬莢じゃなくて,ダイにスプレーしちゃうという荒技まで.笑 それが超手抜きなのに効果は絶大.これが私がルーブは EPL に限るといってる理由なわけです. ちょっと心配な点があるとすれば,まず一つにこのスプレーには溶剤が含まれることです.ただうちでは case prep をリロードの直前にするわけではなくて,prep した状態でしまっておき,撃つ前にリロードしています.この間はそこそこ期間があきますから,溶剤はリロード時には抜けています.しかし溶剤が残っている場合の雷管への攻撃性がどのくらいあるのかは分かっていません.極圧剤自体にはラノリンより攻撃性があるとは思いませんが,ネックテンションの変化はあるかも知れません.ネックテンションが下がると腔圧が下がって弾速が落ちる方向に変化する可能性はゼロではないかも.心配だったらサイジング後に一度溶剤で洗うのが良いでしょう.私の場合はそもそもターニングもしてないし,差が分かるほど上手ではないので気にしていませんが.でも弾速への影響は実験できますから,そのうち試しましょうか.確認すればすっきりするしね.笑 想像では弾頭質量による慣性の影響と比較すれば誤差の範囲内という結論ではないかと思っていますが..... なお,もしあるともっとも実害の大きい,雷管への影響に関しては,ここ一年ほどはそんなやり方をしているものの,不発は全く経験していないので,まあ大丈夫だろうというのが現時点での見解です. あともう一つ心配なのは,極圧剤の種類が分からないことです.塩素化合物ではないということだけ分かっています.メーカーがそう言っているからですね.でもそれ以外の何なのかが分からないのです.エンジンとかに使って良いものなので,拭き取りが甘いからと言って問題を起こすとはそれほど考えていませんが.... ところで上の極圧剤はエーゼットの製品ですが,最近この姉妹品に CKM-002 というのがあるのに気づきました.

 

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これは何が違うかというと,前者の溶剤が入ってないタイプです.ですから粘度が高いわけですね.CKM-001 の場合はダイに吹いてもしばらく作業すると重くなって来まして,またスプレーしなければなりません.CKM-002 だとその間隔が長くなるかも?と推測しています.ただ CKM-001 の場合は薄い膜になるのに対し,002 だとそれがべたついて厚くなる可能性もあるので,いいことばかりではないかも知れません.今度機会があったら買って試してみましょうか.