Gavin が新しいロックリングを紹介していました.
Forster の Accu-Ring という製品です.その前にロックリングが何か知らない人もいると思うので説明しておきます.分かってるよ,という方は読み飛ばしてください.
【解説始め】
ライフルを撃つと使用済み薬莢が出ますが,それは真鍮製で一個百円以上するので,我々貧乏シューターは使い捨てにはしません.改めて火薬を詰めたり弾頭を付ければまた撃てるからです.といっても,発砲するとその圧力で薬莢は若干ふくれてしまいますから,そのままでは弾頭をはめてもユルユルで落ちてしまいますし,本体部分も少しふくれて銃に装填できなくなります.そこで薬莢を規定のサイズに戻すための金型(ダイ:下の写真)があって,これに薬莢を圧入することで縮めるわけです.
ダイはプレスという道具にねじ込んで取り付けますが,その深さは数十ミクロン単位で調整します.その後ダイをプレスに固定するときに締め込むのが,ロックリングと呼ばれるナット(上の写真の赤矢印で示した黒い部品)です.
【解説終わり】
このロックリングは新製品のようですから,説明を見ようと Forster のサイトを確認したところ,まだ載っていませんでした.どういうこと??まだ大々的には売り出せないのかな?
まあともあれどんなものかチェックします.写真を見ると 5° ごとに目盛りがうたれていますね.普通のダイは 7/8"-14 という規格です.ということは 5° 回転させると,ダイは 0.001" 上下します.微調整するには良さそうだけど,自分にはちょっと細かすぎるかな.数字も書いてないから,見間違いそう.そもそもダイの方にも目印がいるし.
ちなみに Forster の従来品はこんな感じでした.
これはアルミで出来ていて,ねじ部分の強度に若干不安は感じましたけど,実際には問題は起きていません.そして Accu-Ring も同じくアルミ製のようです.
ちなみにうちで使っているのは Hornady のロックリングです.
これは頑丈ですし,レンチが掛けられるように二対面が用意されています.Forster のリングはこの面がないので,強く締め込むことが出来ないのです.ただ思い出して欲しいのは, Forster のプレス(Co-Ax)って投げ込み式で,ダイを固定する必要がありませんから,それで問題ないんですよね.結局 Forster のリングを Co-Ax 以外のプレスに使うのが間違った使い方なわけです.
ちなみによく考えると,Co-Ax はロックリングに上下の力が掛かるから,アルミだと変形などして消耗しそうです.もし鉄だとプレス本体も削れてしまうから,ロックリングの方を交換させるという設計なのかも知れませんね.
ともあれ,今まで各社のロックリングを使い比べてきましたが,今回の製品は買うことはなさそうです.