今回の IRS で海外パネリストからプレゼントをいただきまして,そのうちの一つがこちらでした.
Speer reloading manual, 9th Edition です.現行は 15th なのでかなり前ですね.出版年を見ると 1974年とありますからなんと半世紀前です.
リローディング関連の記載では測定器はディジタル機器が見当たらないないなど,時代を感じるものですけど,さすがにやってることは同じなので,あらすじは一緒.
さてデータの書き方も今とはちょっと違いますね.例えば 30-06 で 150gr を見るといくつか弾頭がありますから,とりあえず Spitzer をチェック.Speer 製です.
並んでいる5つのデータについて左から
- 薬量
- 初速
で,ここからが面白いのですけど
- 200yds における弾速
- 200yds における弾頭エネルギー
- 300yds でのドロップ量(200yd-zero)
現在使われているリローディングデータには普通は初速しか書いてないのが普通だったりします.実使用を考えれば着弾点でのエネルギーやドロップが書いてある方がいいですが,今となっては優秀な ballistic calculator がフリーでもあって,実際に近い数値で計算できるので,取得にコストが掛かるデータは収集しないで済むならそれでいいじゃん,というのが今の考え方ですね.
リストされている火薬は今でも現役なものが載っているので参考になりそうですね.
私のメインは H-4895 ですけど,載っているのは iMR.まあ大体同じくらいではありますが.あとは DC-300 互換(笑)の IMR-3031 とかも使いやすいですね.下にある SR4759 は減装用に適していますが,今はディスコンなのが残念でなりません.
ちなみに Round Nose も別で載っています.
同じ鉛コアジャケットなら形状が多少違っても,初速だけだど大きくは変わらないので,現代の本ではあまりデータを載せていないと思いますけども,この本では 200yds でのデータが大事なので載っているんですね.
例えば IMR3031 を 49.5gr のとき,初速は 2909-2920 fps の差ですけど,200yd 先では Spitzer が 2461 fps 残存しているのに対し,Round Nose だと 2196 fps にまで落ちています.300yds でのドロップも 2" 違うんですね〜.今なら実際の BC 値とかを入れて計算するのは簡単ですけど,昔は難しかったと思うので,このようなデータは大切だったのでしょうね.
ちなみに現行本はこちら↓