週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

後から分かるゾッ・リローディング編

今週のお題「ゾッとした話」ということですけど,リローディングでゾッとするような経験は全然ない....こともなかったりするので,そんな話を.あ,リローディングというのは偶然こちらに立ち寄られた方のために説明すると,ライフルや散弾銃などの弾を,買ってきた部材から手組みして作ることです.工場で完成させた実包を買うのではなくて,使用済みの薬莢を再利用して作るわけです.自分の用途により適合した実包が作れると言うことで,このブログの主テーマなのです.

 

さてもうこれは大分昔の話.当時はスラグ射撃(仁丹みたいに小粒な弾が散らばるクレー射撃などに使われる散弾じゃなくて,大きな一粒玉をライフル射撃と同様の的紙に撃つもの)を始めたばかりでしたけど,スラグ弾って高いので,弾頭鋳造から自分でやってたのですね.で,始めたばかりだから何も知らなくて,火薬なんて簡単に燃えるものだと考えていて,クリンプ圧の管理がずさんだったのです.ふさがってればいいやくらいな感じ.クリンプってのはこのように薬莢の口を閉じてある部分です.

 


ここにはしっかり圧力を掛けてきっちり締め込まないと,火薬の燃焼条件が均一にならず,弾速にバラツキがでてしまうので,地味に見えるけど実は大事な部分です.

 

あるとき burn rate が遅めの火薬を試してみようとスラグを組んだのですけど,いつものようにクリンプが適当(適切ではないという意味ね.笑)だったので,中でも一番緩そうなものを撃ったところ,腔圧が上がらず火薬が吹き出しました.結果,銃身の途中で弾頭が停止してしまったのです.

 

普通だったらバーンとなるところが,ボフッって感じの音だったので,もちろん異常燃焼したことにはすぐに気付きましたが,周りで撃っていた人がわらわらと集まってきてしまいました.銃身が詰まったまま次弾を撃つと銃身が破裂して事故になるので,心配して見に来たのです.集まってきた中にクリーニングロッドを手にしている人(慣れすぎ!笑)がいたので,それで停まった弾頭を押し出させてもらい,射撃を続けることが出来ました.

 

それからはかなりクリンプには気をつかうようになり,以降はこのような事態に陥ったことは一度もないですけども,停弾に気付かず次弾をそのまま撃ってしまう人はたまにいるらしいので,もうちょっと八兵衛してたら私もそんなことになったかも?なんて思うとゾッとします.苦笑