前エントリで Lapua 薬莢はブッシュ式ネックダイで全て処理しました.↓
しかし,Winchester や Norma などはミニマムチャンバーゲージに入らないものが多くありました.よってこのような薬莢に対してはフルレングスサイジングを掛けることになります.略してフルサイズとも言い,これはネックだけでなく,ボディ部分も込みで圧縮する処理です.もちろん使用するダイが違います.
大体いつもネックで済んでいたので,久々にフルサイズダイをだしてきましたら...
ゲゲゲ〜,錆びているではありませんか.これはショックだなぁ.使い捨て歯ブラシで擦ってみると...
真っ赤です.仕方ないのでしばらく磨いてから使いました.掛けてみると
この白矢印のところまで擦過痕がありますので,ここまでダイで圧縮されています.ダイが錆びているからこんな感じになっちゃったってわけじゃなくて,フルをかけると普通こんな感じになります.
ちなみにブッシュサイズも Winchester などは .30 用に持っている中でもっとも小さなものにしないと適正な内径にはなりませんでした.ネックがかなり薄いようです.
ところでフルサイズをかけると摩擦熱や,ボディ圧縮に伴う発熱(塑性変形熱)があります.実際にシェルホルダに取り付けるときと,ブレスした後にシェルホルダから取り外すときに薬莢を触りますけど,明らかに温度が違います.気になるので計ってみましょう.まず処理前.
フルサイズをかけてシェルホルダから取り外したときが
と,だいたい 2℃ 違いますねぇ.ただ見る間に冷えていって,すぐに前の温度になってしまうので,サイジング直後はきっともっと熱いと思います.計るにも時間がかかりますからね.
というわけで,Lapua にはネックサイズ,他のにはフルサイズをかけて 30-06 のサイジングが終了しました.ちなみにプライマポケットはこんな感じになっています.
このままでも問題ないのですけど,使う度に段々汚れがたまっていきますから,その堆積した厚みによってシートした雷管のアンビル(発火金)が不安定な状態におかれる可能性もなくはないでしょう.この薬莢も掃除をしないで何回も撃ってますし,そろそろクリーニングした方がいいかも,というわけで次回はプライマポケットの掃除をしたいと思います.
余談ですがダイの防錆についてはシリコンオイルを使っています.一度キレイにしてからオイルを吹いてケースにしまいます.今回錆びさせちゃったものは,前に使ったときこの処理をうっかり忘れていたからだと思います.私のような粗忽者にはステンレスの方がいいのかも知れませんね.ただ焼き付きそうで怖いのですけども,それはやっぱりトレードオフなんでしょうねぇ.