週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

発砲数と銃身温度上昇

ライフルで狩猟する場合はそれほど発射数も多くはないのでそれほど問題にはなりませんが,射撃の場合,特に精度を考える場合は,銃身温度の上昇が問題になるとされています.そこで発射弾数とともに銃身がどのように温度が上がっていくのかを調べてみました. 前提条件はほぼ無風状態のバッフル式射撃場で気温は約7℃,非接触型の放射温度計で薬室付近の温度を測ります.
画像
赤いレーザーマークの真ん中付近の温度が計測されます.毎回同じ部分をはかるようにしました.機材は Browning X-bolt 30-06,IMR4166 50gr を使い,150gr SBT を約 2700fps で飛ばします.発射間隔は厳密ではありませんが,概ね10秒に一発程度,5発ごとに温度を測定しました. その結果は以下のようになりました.
画像
ただ注意したいのは,この図をもって例えば10発で最高温度が20℃くらいになるというわけではない点です.計測した部分は銃身が厚いため,表面温度が上がるまでに時間がかかります.そのため撃たずともしばらくおいておけばさらに温度が上がると考えられますし,逆に気温が低ければ,割と短い時間感覚をピークに温度が下がっていくこともあるわけです. 見てわかるのは思ったよりは温度が上がっていない様子です.でも実際に射撃している人なら,やけどするくらい熱くなるのもご存じでしょう.実は温度は銃身の場所によって全然違うのです.例えばこの時55発撃った後では薬室に相当する付近では42℃度程度までしか上がっていません.しかし銃身の中心付近,具体的には下の赤矢印付近では105℃位まで上がっていました.
画像
そしてそこからマズルに向かってだんだんと温度が下がっていくような温度分布となっていました.サーモグラフィーでも使えばもっと面白いことがわかるかも知れませんね.