週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

猟師の肉は腐らない

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猟師の肉は腐らない 小泉 武夫/著 新潮社
物書きの主人公が山の中に住む友人を訪ねていき,数日いろんな体験をして夜は酒を酌み交わすというお話です.結構面白いですが,基本的には作り話のはずです.というのも,法に触れることがいくつも書いてあって,これが本当ならかなりヤバい.中には本当の話だと思う人もいると思いますから,その辺はちゃんとわかるようにしておいた方がいいのにと思いました.猟をやってる人たちはみんなこうなんだなんて思われたくないですからね. 例えば自分の銃を友人に持たせてやったり,祝砲と称して空に向かって発砲したり,家の裏に掘った洞窟に銃が並べられているとか(本来施錠された保管設備を持っていなければならない)結構めちゃくちゃです.逆に弾をたくさん一カ所にまとめておいておくのは違法だという記載があります.確かに800個を超える実包の庫外貯蔵は違法ですが,二カ所に分けたとしても800個を超えては持てないはずで,いまいち謎です.逆に薬莢もたくさんもっているのは違法というような言い方をしていますが,火薬の入っていない薬莢自体には何の制限もないはず.と,このようにちょっとちぐはぐな記載がみられるところが気になりますね.ちなみに12番の「ベレッタは散弾でも実弾でも使える」というところがありますが,これはスラグとかのことを実弾っていってるように読めますが,そう呼んでいる地域があるのかな. まあいくつかのヤバいんじゃないかと思うようなところを除けば,山の中で自然に生かされている一人の男のストーリーとみることができます.ずっとそういう生活だと大変だなと思いますが,主人公のように数日遊びに行く分には楽しい経験でしょうね.