週末猟師

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超弱装弾の研究④ 実射結果(グルーピング)

日本ではマグナム散弾用に使われている推進薬 Longshot を,大口径ライフル 30-06 の弱装弾用として使用することを念頭に,前回は弾速の測定結果を示しました.

 

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今回はグルーピングの計測結果について述べます.薬量毎にそれほど弾数が用意できなかったので,各薬量につき3発で計測しました.本当は5発くらい撃ち込んだ方がより信頼性のあるデータになると思いますが,今回は速報値であるということを念頭にお願いします.

 

グルーピングは CTC (center-to-center) で測ります.50m 地点で以下のようなグルーピングを得た場合,CTC[mm] は 10 mm となります.(右の弾痕は2発通っています)

 


距離がいつでも一定なのであれば,この値での比較で問題はありませんが,様々な距離で定量的に評価する際は MOA (minite of angle)のほうが分かりやすいです.一般的には 100yard ならば,1.047" の広がりのことを 1 MOA と呼びます.metric にして 50m ならば 14.54mm です.これにより MOA に換算し,グラフにしたのが下図になります.

 

reduced load test / 3-shot CTC spread in MOA

  • cartridge : 30-06
  • bullet : Sierra 150gr spitzer point #2130
  • powder : Hodgdon Longshot
  • barrel length : 22"
  • twist rate : 1:10"
  • flight range : 50 m

 

CTC spread vs dosage

たった3発で spread を求めているので,非常にバラツキが大きく,信頼に足るデータとは言えませんが,傾向としては赤い破線のような直線に回帰すると想像でき,薬量が少ない方がまとまりそうという結果になりました.実際に撃ってみた感じでも,19.5gr や 20.5gr のときこそ多少まとまりが良いデータが得られたものの,基本的には薬量が多いと暴れる感じがありました.実際に 21gr 以上で sub-MOA を達成できた薬量はありません.まあ量を多く使うなら Longshot を使う意味は希薄になりますし,控えめにして軽く撃てるのが利点ですから,それでもいいわけですけど.

 

さて今回は 50m での結果をまとめましたが,射撃大会で出番の多い 100m でも sub-MOA を維持できるようなら用途が広がりそうです.今度は 17gr と 19.5gr に絞って試してみます.

 

次回はまとめの腔圧推定です↓

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