ライフル実包薬莢の先端が焦げるのはなぜかボディの部分は汚れないのに,ネックの部分が汚れるのはなぜか?ってことですね.これは正常な現象です. 図解してみましょう.まず薬室に実包を装填します. 図にはないですが雷管をたたくと発火して,推進薬(火薬)に着火,爆発的に燃焼します. すると薬莢内に大きな圧力が発生します. この力は薬莢を内側から押し広げて薬室に密着させると共に,弾頭を前に押し出します. すぐに弾頭は薬莢から銃腔に進行します. このとき燃焼ガスの波及する範囲を見てください.当然ネック(薬莢の先端)と薬室の間にも入り込みますので,ここは汚れるわけです. ネックもボディと同じように拡張はしますが,わずかに拡張しただけで弾頭は外れて前に進んでしまうので,どうしてもネックの部分は膨らみきらないうちに,その外側が汚れてしまうのでしょう. ちなみに圧力が低すぎても,ボディが拡張しないうちに弾頭が出てしまうので,そうなるとボディの上の方は汚れることがあります. 薬莢はそれ自身が膨らんで薬室に密着することにより,圧力がボルトの方に行かないようシールする働きがあります.このため,膨らみきれないような使い方をすると,ボルト側に燃焼ガスが吹き出してしまうことになります.よってライフルはある程度の火薬を装填して圧力を高める必要があるのはこれも一つの理由です.
【勝手にFAQ】ネックが汚れる理由
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