私などはリロード自体が楽しいですから,当然リローディング用品などを選んだり使ったりするのは大きな楽しみです.しかし,あくまでもリロードは猟の弾を作るだけだ,なんて人も中にはいるかも知れませんね.そういう人にいろんな道具を紹介したところで,お金の無駄だと思われるのがオチです.
年に一回,無許可譲受で買う50個のライフル実包だけ組みたいという場合に最小のリローディング用品となるとどんなものがあるでしょうか.それはやはり Lee Loader だと思います.
ただし使うには条件があります.
(1)ボルト式ライフルで,あくまでもその銃で再利用すること.
一度発砲した薬莢はほぼその銃の薬室のサイズまで拡大するため,他の銃にははいらないことがあるし,セミオートだと回転不良を起こす危険性があるので,多くの場合フルレングスサイジングの必要がありますが,Lee Loader はネックサイズしか出来ませんので,使えるのはあくまでも,ボルト式の銃で,且つ発砲したその銃で再利用することが条件です.
(2)薬莢の再利用は数回まで
発砲の度に薬莢は硬くなっていき,薬室サイズにどんどん近づいていきます.そして最終的に余裕がなくなると装填できなくなります.何回再利用できるかはキャリバ種類や装填していた薬量で異なります.マグナムだと1回で入らなくなるものもあるかもしれません.Loader でネックサイズを掛けたら,一度薬室に入れてチェックすることが必須です.入りにくくなった薬莢は捨てるか,誰かに頼んでフルレングスサイジングを掛けてもらうことになるでしょう.
(3)レシピは固定される
Loader についてくる,薬匙(ディッパー)を使う場合,薬種や薬量が決まってきます.目分量で火薬量を調整することは絶対にしてはなりませんし,レシピにある薬種より burn rate の早い火薬も使えません(腔圧が上がりすぎて危険なので).Loader を考える人だと,狩猟用には工場装弾,練習用にハンドロード品を使おうと考えるかも知れませんが,弾速は同じにならないので注意は必要です.とはいっても,近距離ではそんなにずれないとは思いますけども.
(4)キャリバも限定される
Loader のラインナップはそれほどあるわけではありません.カタログを見ると,ライフル用であるのは以下のキャリバです.
- 243 Winchester
- 270 Winchester
- 45/70 Government
- 30/30 Win (30 Rem)
- 7.62 x 54 Russian
- 308 Winchester
- 30/06 Springfield
- 303 British
というわけで,ネックサイジングのみ,薬量は付属のスプーンで量る,という使い方で納得できるのであれば,この Loader を買って,あとは手持ちの木槌もしくはゴムハンマーだけでリロードできてしまいます.道具立てがシンプルな上に,定価も $42 弱ですから,かなり安く済みますね.