週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

プレスは鋳鉄に限る

ヒロシさんから聞いた話ですが,30-06 みたいなカートリッジに対してアルミのプレスは強度的にもたないらしいです.ではなぜアルミのが結構あるかというと,それはもちろんあちらではピストルのリロードが一般的だからですね.日本ではピストルのリロードというかピストル自体がないですし,ライフルではボトルネック型の薬莢が一般的でサイジングに力が掛かります.アルミは使っているうちにクラックが入ってしまうようです.ということは,やはり日本でプレスを買うなら鋳鉄に限るってことですね.まあ数やらないならアルミでも大丈夫でしょうけど. ダイは一般に 7/8"×14 というネジになっているものが,我々の使うスタンダードですが,これより一回り大きいダイ(1-1/4”×12)が使えるようになっていて,標準装備のスリーブ状のインサートで 7/8" も付けられるプレスをここではフルプレスと定義します.例えば RCBS の Rockchucker Supreme
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や,Redding の Big Boss II
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などがこれにあたります.対して,7/8" のダイしか付かないプレスももちろんあります.これをここではセミプレスとします.例としては RCBS なら Partner
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や,Redding なら Boss
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がこれにあたります.セミプレスの方がもちろん小型で安価なのですが,アルミで出来ているものもあるので,それは避けた方が無難でしょう. あともし持っているキャリバーが一つか二つなのであれば,ターレットプレスもよいと思います.例えば Redding T-7 などは定評があります.
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7つのステーションがあるので,
フルレングスサイジング ネックサイジング シーティング
のセットを二つ(キャリバー)搭載可能です.これにユニバーサルのクリンプかデキャッピングのどちらか片方なら足すことも出来ますね.キャリバー1種類なら両方付けて,さらに弾頭鋳造する場合のガスチェック作成ダイも載せられます. ただ将来的にキャリバーが増える可能性があるなら,素直に普通のを買った方が良いかもしれません.というのも,ターレットヘッドは別売りで買えますからキャリバーによって交換するという作戦もありなのですが,これを交換する作業はワンタッチでは出来ないのです.バッチローディング(*)する限りは,ターレットより普通のシングルステージプレスのほうがいいと私は思います. セミとフルに関しては,フルプレスのほうがいいと思います.というのも,1-1/4” 穴に取り付けるコンバージョンブッシングがあって,これは 7/8” には付かないからです.
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これを付けるとダイがバヨネットマウントになるので,取り付け,取り外しがワンタッチになるのです.これはちょっと値段が張りますが,一度使うと止められません.もちろん本来の取り付け手法で,ダイを交換する度にぐるぐる回して,というなら別にいいわけですが,以外と面倒くさいですよ. ちなみにダイを横からはめ込むだけでセットできるユニークな構造の CO-AX も秀逸です.
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とても良いのですが,レバーを下げきらないとシェルホルダが開放されない(=薬莢を外せない)点だけが残念に思います. 私が使っているのは RCBS の Rockchucker ですが,昔から定評のあるプレスで,極めて頑健,確かに名品だと思います.ただ唯一残念に思うのは使用済みプライマの扱いで,飛び散って周りが汚れる危険性はついてまわります.この点を上手に解決した Redding の Big Boss II (使用済み雷管がラムを通ってチューブに落ちる仕掛けがついてる)を今私がプレスを買うとしたら選ぶと思います.なお周りがいくら汚れても,すぐ掃除できるから関係ないというのであれば Rockchucker は値段が $50 くらい安いのでいいかも知れません.以前これが品切れになっていたので,ディスコンにでもなったのかと思ったら,今見たら在庫ありでした.単に在庫切れなだけだったようです.笑 (*)バッチローディング:例えば50個の実包をハンドロードするとします.50個の使用済み薬莢を最初に順番に全てサイジングダイに掛け,終わったら次に50個プライミングし,終わったら...という風に一つのプロセスを作業対象の複数の薬莢全てに行ってから,次のプロセスに移る作業方法をバッチローディングと言います.