週末猟師

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スラグ用薬種選定法の検討

ライフルがあるのでスラグについてはレシピはいくつか決まったものしか作っていませんが,スラグは十年未満などで必要に駆られている人も多いでしょうし,またそうでなくてもスラグはスラグで楽しさがあります.なので,日本国内では主に前の理由でしょうが,ハンドロードする人は結構多いように見えます.一方,アメリカではショットシェルのハンドロードというと散弾の方がメジャーなようで,レシピもたくさん見つかります.実際 Lyman 本を見てみると,スラグのページはほんのわずかなのですよね.特に410番などはまったく載っていません.スラグの専門書には載っているのではないかと思いますけど,レシピが欲しいだけなので買うには至らないという感じの方も多いかも知れません. 本来は published load を使うべきですが,このような理由でレシピを自己開発するにあたり,どのような考えで行うか,自分なりにまとめてみます.まずは薬種の選定について考えましょう. 適した薬種は payload(飛ばす部分の条件)でだいたい決まります.よって使うスラグと同じくらいの重さのショットのレシピをまず参照します. 例えば散弾リロードで定番 hull である Winchester AA で見てみましょう.細かい話をすると WAA はディスコンになっていて,今は Winchester AA/HS という polyformed 型になっています.正確性に欠けると個人的には思いますが,Lyman 本などでは WAA/HS も WAA と同じレシピが通用すると書いてあるので,それを信用することにします.今見ている本が Lyman 4th で古い薬種も載っているので,burn rate chart はこちらを本エントリでは採用します.Hodgdon の chart では載ってないものがあるからです.まず slug 475gr foster type を見ると Unique と 571 だけが載っています.burn rate を番号でいうと 57 から 99 です. 475gr は 1.086oz なので,1oz と 1-1/8oz の間ですが,ワッズも考えて 1-1/8oz と比較します.すると,こちらは red dot から 800X までですから,burn rate は 17 から 87 となります. 材料が少ないので,今度は Federal Gold Medal Plastic のレシピを見てみましょう.まず 525gr Lyman sabot slug では WSF から 571 までですから,burn rate は 52 から 99 です.525gr は 1.2oz なので,1-1/4oz が近いでしょう.すると No.2 Imp から Blue Dot までが載っているので,burn rate は 27 から 99 です.ついでに 1-3/8oz も見てみると,こちらは SR7625 から Blue Dot までで,63 から 98 となります. まとめると
hullloadburn rate
WAA475gr foster slug57 - 99
WAA1-1/8oz lead shot18 - 87
Federal525gr sabot slug52 - 99
Federal1-1/4oz lead shot27 - 98
Federal1-3/8oz lead shot63 - 98
ここから読み取れることは,スラグレシピに載っている薬種は,同程度の重さの散弾レシピに載っている薬種にだいたい含まれていて,その中では遅い方になっている,ということです. 薬量についてはワッズなど他の条件もあるので,さらに検討が必要ですが,薬種についてはこのような考え方で選定して良さそうです.