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【勝手にFAQ】トラップ銃

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トラップ銃とは?
ずばりですね.笑 トラップ競技向けに作られた散弾銃のことです.で,終わってしまうとこのような疑問をお持ちの方には意味不明な可能性もあるので続けます. 空中に射出されるクレーと呼ばれるお皿を撃つ競技であるクレー射撃には,メジャーどころでは大きく分けてトラップとスキートという種目があります.トラップは射手の前方15mのところから離れる方向にクレーが射出されるのに対し,スキートは離れていくクレーの放出機が射手に近いところにあるので,クレーを撃破する距離がトラップは遠いという違いがあります.(飛んでいるので撃つタイミングでで距離は違いますが,ざっくりいってトラップは 40m くらい,スキートは 20m くらいでしょうか) クレー射撃を競技としてやっている人のほとんどは上下二連式を使っています.
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見て分かるように銃身が2本上下につながっており,当然弾は二個入ります.引き金を引くと最初に出るのは下のバレル(銃身)で,さらにもう一度引き金を引くと今度は上のバレルが激発します.上のバレルの方がストックから上にオフセットしているため,跳ね上がるモーメントが大きくなります.ですから,初矢(最初にでる弾)は下のバレルにするのが普通です.(ただし切り替え機能がある銃も多いです) さてこの上下二連でトラップに最適化されているのがトラップ銃というわけですが,スキート銃と何が違うかというと,最初に述べた撃破する距離の違いが効いてきます.トラップの方が遠距離ですから,散弾の散らばり方を抑えるためにチョーク(絞り)がキツくなっています.標準的には初矢で近いクレーを撃つことになる下のバレルはインプモデ(3/4絞り),上のバレルは下で逃したクレーを撃つことになるので,遠いところ用にフルチョーク(全絞り)になっているのが一般的です.またバレルの長さもスキートが標準的には 28" (71cm)なのに対し,トラップは 30" (76cm)が普通です. それ以外にも,ルールとしてトラップはクレー放出の合図(コールといいます)をするときにはすでに銃を構えているのに対し,スキートはコールしてから構えるという違いがあるので,ストックの下がり方(ベンド)が異なるとか,ストックの尾部にあるショックを和らげるためのバットプレートもトラップ銃は厚めで柔らかいのに対し,スキートは滑りをよくするため堅い材質になっているという違いもあります. トラップ銃でスキートを,逆にスキート銃でトラップを撃つことは出来ますが,有利不利は明確ですので,とりあえず最初にどちらかを始めて,ある程度上手になってもう片方もやりたくなったら,もう一丁買うということになるかと思います.ただ銃を増やしたくない場合は,替え銃身と交換ストックを買うのもいい方法かも知れません.(コストが抑えられるわけではないですが)