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【勝手にFAQ】 Longshot vs. DC300

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ホジドンのロングショット DC300はどっちが早い

この比較はどういう意図なのでしょうね.まず burn rate でいうなら,Longshot の方が早いです.ただそもそも Longshot は散弾用で,DC300 はライフル用ですから,その比較は無意味なのですが,同じ弾(たとえば12番散弾とか 308Win とか)に詰める火薬をどっちにしたら弾速がでるか?という疑問なのかな?と思います.

結論から言いますと,散弾に使うなら Longshot,ライフルに使うなら DC300 です.burn rate が Longshot の方が早いのになぜ?と思うかも知れませんね.では説明しましょう.

DC300 を散弾に使うと,火薬が燃えないうちに雷管の爆発力だけで弾が銃身内を進行してしまいます.銃身と弾の間に抵抗がないため,圧力がほとんど上がらないうちに進んでしまうのです.火薬は高圧下で爆燃する性質がありますが,逆に言えば銃腔内の圧力があがらないと燃えません.ですから,散弾にこのような火薬を使うと雷管の爆発力だけで弾が銃口から飛び出すか,銃腔を進んだところで停弾します.遊底と停弾した箇所までの銃腔容積はかなり大きいので,もはや圧力は上がらずほとんどの火薬は燃えずに残ってしまうというわけです.

一方,Longshot をライフルに使った場合はどうでしょう.Longshot はかなり burn rate が早いですので,通常ライフルで使用される DC300 と同じ量の Longshot を入れると,弾がほとんど銃腔を進まないうちにすべて燃焼してしまいます.するときわめて大きな圧力がかかることになり,銃身が破裂してしまいます.散弾用(や,ピストル用)の火薬をライフルに使ってはいけないといわれるのはそういう理由です.ライフル用の火薬は燃えるのが遅くなるよう調整されているので,銃腔を弾が進む間にも圧力をゆっくりとあげて,弾をどんどん加速させることが出来るようになっているのです.

ではライフルで Longshot の量を減らしたらどうかとなりますが,もちろんある量まで下げれば銃身破裂を防ぐことが出来るでしょう.ただその場合は弾速もかなり落ちてしまいます.安全な量ではスラグくらいの弾速しかでないと思います.これより薬量を下げますと停弾します.ライフルではこうなると弾の除去に大変な苦労をします.特に銅弾が停弾すると,もちろん場所にもよりますが,硬い弾ですからどっちに動かすことも出来なくなって,銃身をダメにすることになるでしょう.逆に少しでも薬量が多いと圧力が上がって破裂してしまうので危険です.

というわけで,結局最初に述べた結論になるのでした.