週末猟師

休日に射撃や狩猟を楽しむ

サイジングダイの揃え方を考える

うちではリロードを始めた当初,フルサイズとネックサイズを用意して,それからそれぞれにカーバイドボタンを買い足しました.これでずっとやってきたのですが,今年になってブッシュタイプのフルダイを足しました.その辺の背景のお話です. サイジング前に超音波洗浄をしている場合は,内側もきれいになっているのでそれほど抵抗は感じませんが,タンブラだと内側は汚れたままになります.この状態で普通のサイジングダイをかけると,ボタン(ネック内径を所定のサイズに拡大する)を通すのにかなりの抵抗を感じます(力が要るという意味).これを軽減するためにボタンを普通のスチールではなく,固い材質であるカーバイドを使ったものに入れ替えたわけです.(下ので指す部品)
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カーバイドボタンは確かに効果はありましたが,ブッシュダイならそもそも最初からボタンがないのでもっと楽になるということで,ようやく今年になってブッシュタイプを買ったわけです. ではなぜ今までブッシュタイプを買わなかったかというと,弾頭を保持するネックは内径が決まっているわけですが,ブッシュは外径で選ぶものなので,内径を同じにするためには薬莢のネックの厚さでブッシュを変えなければならないのです.そしてそのネックの厚さというのは薬莢によって結構違うのですよ.今は Lapua がメインになってきたので,ブッシュもいくつかサイズがあれば済むだろうと,ようやく重い腰を上げたというわけです.(もちろん薬莢に対してネックターニングという削る作業をして,ネックの厚さを均一にすることでブッシュを一つにすることもできるでしょうが,薬室のネックサイズを意図的に縮小した銃の場合にやることであり,普通はターニングしたものを使用すると,かえって薬莢寿命は短くなってしまうはず) で,使ってみて感じたことです.普通のダイだとプレスへのねじ込みはラムに当たるまで(実際は遊びがあるから,もう少し深くします)回してやればいいだけですよね.ブッシュダイは更にブッシュの深さを調整する必要があるので,そこはちょっと面倒です.まあ一回セットすればそんなに狂うものじゃないですけど.その辺を割り引いても,やっぱりボタンがないというのは楽です.普通のダイならケースをダイに圧入するのに加えて,そのあとボタンを引き抜く力(これが前者に比べて大)が必要だったのが,後者がないのですから.一回に数百個作業することもありますから,疲労感はだいぶちがいます. さてこの辺で本題に入ります.ブッシュダイにもフルサイズとネックサイズがあります.私はとりあえずフルサイズだろうと,そっちのブッシュダイを買いましたが,ネックサイズも欲しくなりました.すると,同じサイズのブッシュを二個もっていないといけなくなります.あ,いけなくなるってわけじゃないですね.片方から外して,入れ替えれば良いのですから.でも面倒ですよね.ブッシュってスチールのはそれほど高くないですけど,硬い材質の方が作業しやすいはずですから,カーバイドなりチタンナイトライドなりを選ぶと,やっぱり結構高いのです(Redding の TiN コートタイプで $30 くらい).おまけにうちは 30cal でもキャリバー二種類あるから,フルとネックがあれば同じサイズのブッシュを最大四つ買うことになってしまいます.
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そこで思いついたのですね.最初にブッシュタイプはネックサイズを買って,フルを掛けたいときにはボディダイを使えば良いのではないかと.もちろんボディダイにかけて,ネックダイにもかけるわけですから二度手間なのですけどね.ちなみにボディダイの価格は約 $40 と,それほど高くはないです.ただうちはフルを買ってしまったので,今となっては遅いかなぁ.あ,待てよ.フルのブッシュダイからブッシュを抜いたら,ボディダイだ.笑
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というわけで,これからライフルを始める方で,リロードに特にこだわりがなければ,ダイは普通のフルサイズがあれば十分だと思いますが,ブッシュも視野に入れている方にはご参考になればと思った次第です.ちなみにブッシュダイを買ってもそれで作業できない薬莢がいずれ出てきますから,結局は普通のフルダイも必要だと思います.